学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0521

理由で解く 臨床医学各論

Q0521 内分泌疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題71
問題
「30 歳の男性。人間ドックで高血圧を指摘された。頭痛、発汗、手指振戦、痩せを認めた。家族歴には特記事項なし。腹部CT では副腎に腫瘍を認めた。」本症例の症状を起こす物質が合成・分泌される副腎の部位はどれか。
選択肢
1 球状層
2 束状層
3 網状層
4 髄質
解答
正解4(髄質)
解説
✗ 1. 誤り
球状層
球状層は副腎皮質の最外層であり、アルドステロン(鉱質コルチコイド)を産生・分泌する。 アルドステロンは遠位尿細管・集合管でのNa再吸収とK排泄を促進するホルモンであり、レニン-アンジオテンシン系により分泌が調節される。 カテコールアミンは産生しない。
✗ 2. 誤り
束状層
束状層は副腎皮質の中間層であり、コルチゾール(糖質コルチコイド)を産生・分泌する。 コルチゾールは糖代謝・抗炎症作用・免疫抑制作用に関与し、ACTHにより分泌が調節される。 カテコールアミンは産生しない。
✗ 3. 誤り
網状層
網状層は副腎皮質の最内層であり、副腎アンドロゲン(DHEA・アンドロステンジオンなど)を産生・分泌する。 これらは性ホルモンの前駆体であり、末梢組織でテストステロンやエストロゲンに変換される。 カテコールアミンは産生しない。
✓ 4. 正しい
髄質
本症例は褐色細胞腫であり、原因物質であるカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)は副腎髄質で合成・分泌される。 副腎髄質はクロム親和性細胞(褐色細胞)から構成され、交感神経系の一部として機能する。 カテコールアミンの合成経路はチロシン→ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンの順であり、褐色細胞腫はこの髄質細胞から発生する腫瘍である。
ポイント
  • 副腎は皮質(球状層・束状層・網状層)と髄質に分かれ、それぞれ異なるホルモンを産生する。覚え方として「球はアルド、束はコルチ、網はアンドロ、髄はカテコール」と整理するとよい
  • 副腎皮質は中胚葉由来、副腎髄質は外胚葉(神経堤)由来であり、発生学的に全く異なる組織である
  • カテコールアミンの合成経路(チロシン→ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン)も出題されることがある
  • 重要用語: 副腎髄質, カテコールアミン, 球状層, 束状層, 網状層, クロム親和性細胞 を正確に理解しておくこと
比較表
副腎の部位 産生ホルモン 関連疾患
球状層(皮質最外層) アルドステロン 原発性アルドステロン症
束状層(皮質中間層) コルチゾール クッシング症候群
網状層(皮質最内層) 副腎アンドロゲン 副腎性器症候群
髄質 カテコールアミン 褐色細胞腫
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題71|「30 歳の男性。人間ドックで高血圧を指摘された。頭痛、発汗、手指振戦、痩せを認めた。家族歴には特記事項なし。腹部CT では副腎に腫瘍を認めた。」本症例の症状を起こす物質が合成・分泌される副腎の部位はどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題71|「30 歳の男性。人間ドックで高血圧を指摘された。頭痛、発汗、手指振戦、痩せを認めた。家族歴には特記事項なし。腹部CT では副腎に腫瘍を認めた。」本症例の症状を起こす物質が合成・分泌される副腎の部位はどれか。
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