学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0520

理由で解く 臨床医学各論

Q0520 内分泌疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題70
問題
「30 歳の男性。人間ドックで高血圧を指摘された。頭痛、発汗、手指振戦、痩せを認めた。家族歴には特記事項なし。腹部CT では副腎に腫瘍を認めた。」本症例の血液検査で高値を示すのはどれか。
選択肢
1 コルチゾール
2 副腎皮質刺激ホルモン
3 カテコラミン
4 アルドステロン
解答
正解3(カテコラミン)
解説
✗ 1. 誤り
コルチゾール
コルチゾール高値はクッシング症候群でみられ、中心性肥満・満月様顔貌・皮膚線条が特徴的である。 クッシング症候群では脂肪の再分布により体重は増加傾向となり、本症例の「痩せ」とは矛盾する。 本症例は痩せを伴っており、コルチゾール過剰の病態とは異なる。
✗ 2. 誤り
副腎皮質刺激ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)高値はクッシング病(下垂体腺腫によるACTH過剰)やアジソン病(代償性上昇)でみられる。 クッシング病では中心性肥満が特徴であり、アジソン病では低血圧・色素沈着が特徴であるため、いずれも本症例とは一致しない。 本症例の高血圧・頭痛・発汗・振戦・痩せはACTH過剰の症状ではない。
✓ 3. 正しい
カテコラミン
30歳男性の高血圧・頭痛・発汗・手指振戦・痩せ・副腎腫瘍という所見は褐色細胞腫を強く示唆する。 褐色細胞腫は副腎髄質のカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)産生腫瘍であり、血中カテコラミンが著明に高値となる。 カテコールアミン過剰により交感神経が刺激され、高血圧・頭痛・発汗・振戦・代謝亢進(痩せ)・高血糖がすべて説明できる。
✗ 4. 誤り
アルドステロン
アルドステロン高値は原発性アルドステロン症でみられ、高血圧に加え低カリウム血症による筋力低下・四肢麻痺が特徴的である。 原発性アルドステロン症では発汗亢進・振戦・痩せは典型的でなく、本症例の臨床像とは異なる。 発汗・振戦・痩せは原発性アルドステロン症の典型的症状ではない。
ポイント
  • 若年者の高血圧+副腎腫瘍+交感神経刺激症状(頭痛・発汗・振戦・痩せ)は褐色細胞腫を示唆する
  • 副腎腫瘍をみたら、症状からクッシング症候群(コルチゾール高値→肥満傾向)・原発性アルドステロン症(アルドステロン高値→低K血症)・褐色細胞腫(カテコールアミン高値→痩せ傾向)のいずれかを鑑別する
  • 「痩せ」は褐色細胞腫とバセドウ病に共通する症状であり、副腎腫瘍の有無で鑑別できる
  • 重要用語: 褐色細胞腫, カテコラミン高値, 副腎髄質腫瘍, 発作性高血圧 を正確に理解しておくこと
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題70|「30 歳の男性。人間ドックで高血圧を指摘された。頭痛、発汗、手指振戦、痩せを認めた。家族歴には特記事項なし。腹部CT では副腎に腫瘍を認めた。」本症例の血液検査で高値を示すのはどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題70|「30 歳の男性。人間ドックで高血圧を指摘された。頭痛、発汗、手指振戦、痩せを認めた。家族歴には特記事項なし。腹部CT では副腎に腫瘍を認めた。」本症例の血液検査で高値を示すのはどれか。
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