学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ C. 副腎疾患 / Q0519

理由で解く 臨床医学各論

Q0519 内分泌疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題71
問題
内分泌疾患と検査値の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 褐色細胞腫 ― 血中カテコールアミン低値
2 アジソン病 ― 血中ACTH低値
3 原発性アルドステロン症 ― 血漿レニン活性低値
4 原発性甲状腺機能低下症 ― 血中TSH低値
解答
正解3(原発性アルドステロン症——血漿レニン活性低値)
解説
✗ 1. 誤り
褐色細胞腫 ― 血中カテコールアミン低値
褐色細胞腫は副腎髄質のカテコールアミン産生腫瘍であり、血中カテコールアミンは高値となる。 アドレナリン・ノルアドレナリンが腫瘍細胞から自律的に産生・分泌されるため、血中・尿中カテコールアミンは著明に上昇する。 低値ではなく高値が正しい検査所見である。
✗ 2. 誤り
アジソン病 ― 血中ACTH低値
アジソン病は原発性副腎皮質機能低下症であり、コルチゾール低下に対するネガティブフィードバックにより下垂体からのACTH分泌は代償的に亢進する。 ACTH高値はアジソン病(原発性)を二次性副腎皮質機能低下症(ACTH低値)と鑑別する重要な指標である。 血中ACTHは低値ではなく高値となる。
✓ 3. 正しい
原発性アルドステロン症 ― 血漿レニン活性低値
原発性アルドステロン症ではアルドステロンが副腎皮質から自律的に過剰分泌される。 Na・水貯留により循環血液量が増加し、傍糸球体装置からのレニン分泌はネガティブフィードバックにより抑制される。 したがって血漿レニン活性は低値となり、アルドステロン/レニン比(ARR)の上昇が二次性アルドステロン症(レニン高値)との鑑別に重要な指標となる。
✗ 4. 誤り
原発性甲状腺機能低下症 ― 血中TSH低値
原発性甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン(T3・T4)が低下するため、ネガティブフィードバックにより下垂体からのTSH分泌が亢進する。 TSH高値は原発性甲状腺機能低下症を中枢性甲状腺機能低下症(TSH低値または正常)と鑑別する指標となる。 血中TSHは低値ではなく高値となる。
ポイント
  • 内分泌疾患の検査値は「原発性」疾患における負のフィードバック機構を理解すれば論理的に導ける。原発性の臓器障害では上位ホルモンは代償性に反対方向へ変動する
  • 原発性アルドステロン症=低レニン・高アルドステロン、アジソン病=高ACTH・低コルチゾール、原発性甲状腺機能低下症=高TSH・低T3/T4と整理する
  • 「原発性」と「二次性」では上位ホルモンの動きが逆になることが鑑別の鍵。二次性副腎不全ではACTH低値、二次性アルドステロン症ではレニン高値となる
  • 重要用語: 負のフィードバック, 血漿レニン活性, ACTH, TSH, アルドステロン/レニン比 を正確に理解しておくこと
比較表
疾患 ホルモン変化 フィードバック
褐色細胞腫 カテコールアミン高値
アジソン病 コルチゾール低値→ACTH高値 負のフィードバック
原発性アルドステロン症 アルドステロン高値→レニン低値 負のフィードバック
原発性甲状腺機能低下症 T3・T4低値→TSH高値 負のフィードバック
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題71|内分泌疾患と検査値の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題71|内分泌疾患と検査値の組合せで正しいのはどれか。
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