学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ A. 下垂体疾患 / Q0446

理由で解く 臨床医学各論

Q0446 内分泌疾患

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題70
問題
下垂体性尿崩症について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 バゾプレッシンの分泌が低下している。
2 続発性尿崩症の頻度が高い。
3 高血糖を認める。
4 多飲となる。
解答
正解3(高血糖を認める。)
解説
✗ 1.
バゾプレッシンの分泌が低下している。
✗ 正しい。下垂体性尿崩症では下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン(ADH、バゾプレッシン)の分泌が低下している。ADHは腎臓の遠位尿細管と集合管に作用して水の再吸収を促進するため、ADH分泌低下により尿が濃縮されず大量の希釈尿が排泄される。
✗ 2.
続発性尿崩症の頻度が高い。
✗ 正しい。尿崩症の原因として、続発性尿崩症(脳腫瘍・外傷・脳外科手術・脳出血などに起因)が約60%と頻度が高い。原因が明らかでない特発性尿崩症は約39%、家族性尿崩症は約1%である。
✓ 3. 誤り
高血糖を認める。
尿崩症では高血糖は認められない。高血糖をきたすのは糖尿病である。尿崩症と糖尿病はともに多尿を呈するが、尿崩症は低張尿(尿浸透圧低下)で尿糖陰性、糖尿病は高血糖により尿糖陽性という点で鑑別できる。この2疾患は名称に「尿」が含まれ混同しやすいため注意が必要である。
✗ 4.
多飲となる。
✗ 正しい。ADH分泌低下により腎臓での水再吸収が障害され多尿(1日5L以上、ときに10Lを超える)となる。体液の喪失を補うため代償的に多飲(口渇、口内灼熱感)が生じ、飲水行動が亢進する。
ポイント
  • 尿崩症と糖尿病はともに多尿を呈するが、血糖値・尿糖・尿比重の違いで鑑別できる
  • 尿崩症は中枢性(ADH分泌低下)と腎性(ADH作用不全)に分類され、中枢性が多い
  • 診断では水制限試験で尿濃縮不良を確認し、デスモプレシン(DDAVP)投与で中枢性と腎性を鑑別する
  • 重要用語: 抗利尿ホルモン, 低張尿, 尿糖陰性, 水制限試験 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 尿崩症 糖尿病
多尿 あり あり
血糖 正常 高値
尿糖 陰性 陽性
尿比重 低下 上昇
原因 ADH分泌低下 インスリン作用不足
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題70|下垂体性尿崩症について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題70|下垂体性尿崩症について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手