学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ A. 下垂体疾患 / Q0445

理由で解く 臨床医学各論

Q0445 内分泌疾患

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題68
問題
成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性低身長症)について正しい記述はどれか。
選択肢
1 身体各部の均整はとれている。
2 知能の発達障害がみられる。
3 器質性が80%である。
4 器質性の原因では脳炎が最も多い。
解答
正解1(身体各部の均整はとれている。)
解説
✓ 1. 正しい
身体各部の均整はとれている。
成長ホルモン分泌不全性低身長症では成長ホルモン(GH)不足により身長の伸びが遅れるが、身体各部(頭部・体幹・四肢)の比率は正常で均整はとれている(均衡型低身長)。これはクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の不均衡型低身長と対比される重要な鑑別点である。
✗ 2. 誤り
知能の発達障害がみられる。
成長ホルモン分泌不全性低身長症では知能発達は正常で障害はみられない。成長ホルモンは骨・軟骨の成長を促進するが、脳の発達には甲状腺ホルモンが重要である。知能障害を伴うのはクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)であり、混同しないよう注意が必要である。
✗ 3. 誤り
器質性が80%である。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の約80%は原因が明らかでない特発性であり、器質性(頭蓋咽頭腫などによる)は約20%程度にすぎない。数値が逆であることに注意する。
✗ 4. 誤り
器質性の原因では脳炎が最も多い。
器質性低身長症の原因では頭蓋咽頭腫が最も多く、脳炎ではない。頭蓋咽頭腫はトルコ鞍上部に発生する良性腫瘍で、下垂体機能低下を起こす代表的疾患である。
ポイント
  • GH分泌不全性低身長症は均衡型低身長で知能正常、クレチン症は不均衡型低身長で知能障害を伴う点が最重要鑑別ポイント
  • 低身長の定義は同年齢の平均身長 -2SD(標準偏差)以下である
  • 特発性が約80%、器質性(頭蓋咽頭腫など)が約20%で、早期GH補充により最終身長の改善が期待できる
  • 重要用語: 均衡型低身長, 不均衡型低身長, 特発性, 頭蓋咽頭腫 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 身体比率 知能 原因
GH分泌不全性低身長症 均衡型 正常 GH分泌低下
クレチン症 不均衡型 障害あり 甲状腺ホルモン欠乏
ターナー症候群 均衡型 正常 X染色体異常(45,X)
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題68|成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性低身長症)について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題68|成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性低身長症)について正しい記述はどれか。
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