学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0322

理由で解く 臨床医学各論

Q0322 呼吸器疾患

出典:あマ指 第33回(2025) 問題79
問題
次の症例について、「80歳の男性。毎日40本の喫煙を60年続けている。咳、痰、労作時の息切れを訴えている。胸部エックス線検査では胸水や腫瘤陰影は認めない。」次に行うべき検査はどれか。
選択肢
1 MRI検査
2 呼吸機能検査
3 換気血流シンチグラフィ検査
4 呼吸器内視鏡検査
解答
正解2(呼吸機能検査)
解説
✗ 1. 誤り
MRI検査
MRI検査は軟部組織の評価には有用であるが、COPDの診断には通常用いない。 肺の気流制限の評価には呼吸機能検査が最も適切である。 MRIは肺の含気量が多く信号が得にくいため、肺疾患の評価にはCTやX線のほうが優れている。
✓ 2. 正しい
呼吸機能検査
長期喫煙者(40本/日 x 60年)で咳・痰・労作時息切れを訴えている場合、COPDが強く疑われる。 COPDの確定診断には呼吸機能検査が必須であり、1秒率(FEV1/FVC)70%未満の閉塞性換気障害を確認する。 胸部X線で腫瘤影がないため肺癌は否定的であり、気流制限の評価が優先される。 呼吸機能検査はCOPDの診断のゴールドスタンダードである。
✗ 3. 誤り
換気血流シンチグラフィ検査
換気血流シンチグラフィは肺塞栓症の診断に用いる検査であり、COPDの初期診断としては適切でない。 本症例では肺塞栓症を示唆する所見(突然の呼吸困難、胸痛、下肢腫脹など)がない。 換気血流ミスマッチ(換気正常・血流低下)が肺塞栓症の特徴的所見である。
✗ 4. 誤り
呼吸器内視鏡検査
呼吸器内視鏡検査(気管支鏡検査)は肺癌の診断に用いる検査である。 胸部X線で腫瘤影がない本症例では、まずCOPDの評価として呼吸機能検査を優先する。 気管支鏡検査は腫瘤影や異常陰影を認めた場合に組織生検を行う目的で実施される。
ポイント
  • 長期喫煙者の咳・痰・労作時息切れはCOPDを疑う典型的なパターンであり、確定診断には呼吸機能検査(スパイロメトリー)が必須である。
  • COPDの診断基準は気管支拡張薬投与後の1秒率(FEV1/FVC)70%未満の閉塞性換気障害の確認である。
  • 本症例のブリンクマン指数は40本 x 60年 = 2400であり、極めて高いCOPDリスクを示す。
  • 重要用語: 呼吸機能検査, 1秒率, COPD診断, スパイロメトリー を正確に理解しておくこと。
比較表
検査 主な適応 本症例での優先度
呼吸機能検査 COPD、喘息など 最優先(COPD疑い)
MRI 縦隔腫瘍、軟部組織評価 低い
換気血流シンチグラフィ 肺塞栓症 低い(症状が合わない)
気管支鏡検査 肺癌、異物除去 低い(腫瘤影なし)
解説画像
あマ指 第33回(2025) 問題79|次の症例について、「80歳の男性。毎日40本の喫煙を60年続けている。咳、痰、労作時の息切れを訴えている。胸部エックス線検査では胸水や腫瘤陰影は認めない。」次に行うべき検査はどれか。 解説図
あマ指 第33回(2025) 問題79|次の症例について、「80歳の男性。毎日40本の喫煙を60年続けている。咳、痰、労作時の息切れを訴えている。胸部エックス線検査では胸水や腫瘤陰影は認めない。」次に行うべき検査はどれか。
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