学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0307

理由で解く 臨床医学各論

Q0307 呼吸器疾患

出典:あマ指 第21回(2013) 問題74
問題
「45歳の男性。労作時の呼吸困難、咳嗽、喀痰を主訴に来院した。胸部の聴診で呼吸音は減弱し、視診上、口すぼめ呼吸がみられ、呼吸機能検査で1秒率の低下を認めた。」この症状の原因はどれか。
選択肢
1 気胸
2 肺気腫
3 肺水腫
4 間質性肺炎
解答
正解2(肺気腫)
解説
✗ 1. 誤り
気胸
気胸では患側の呼吸音減弱を認めるが、口すぼめ呼吸や1秒率の低下は特徴的所見ではない。 気胸は突然の胸痛と呼吸困難で発症し、慢性的な咳嗽・喀痰は通常認めない。 若年やせ型男性に好発し、胸腔ドレナージが治療の基本となる。
✓ 2. 正しい
肺気腫
労作時呼吸困難・咳嗽・喀痰・呼吸音減弱・口すぼめ呼吸・1秒率低下は、いずれも肺気腫(COPD)の典型的な所見である。 肺胞壁の破壊により含気量が増加して呼吸音が減弱し、気道虚脱を防ぐために口すぼめ呼吸を行う。 1秒率の低下は閉塞性換気障害を示す指標であり、呼気時の気流制限を反映している。 45歳男性で喫煙歴がある場合、肺気腫の可能性が高い。
✗ 3. 誤り
肺水腫
肺水腫では肺うっ血により湿性ラ音(水泡音)が聴取されるが、呼吸音減弱や口すぼめ呼吸は主体ではない。 左心不全に伴う心原性肺水腫が代表的であり、起座呼吸や発作性夜間呼吸困難がみられる。 1秒率の低下よりも、ガス交換障害による低酸素血症が主な病態である。
✗ 4. 誤り
間質性肺炎
間質性肺炎では拘束性換気障害(肺活量低下)が主体であり、1秒率は保たれるかむしろ上昇する。 乾性咳嗽が特徴であり、膿性の喀痰は通常認めない。 KL-6高値や蜂巣肺が特徴的所見であり、閉塞性障害を示す肺気腫とは病態が根本的に異なる。
ポイント
  • 呼吸音減弱・口すぼめ呼吸・1秒率低下の組み合わせは肺気腫(COPD)を強く示唆する所見であり、臨床問題で頻出のパターンである。
  • 間質性肺炎は拘束性障害(肺活量低下)、肺気腫は閉塞性障害(1秒率低下)という違いを押さえておく。
  • 肺水腫では湿性ラ音、気胸では患側呼吸音消失が特徴的であり、呼吸音減弱とは機序が異なる。
  • 重要用語: 肺気腫, 口すぼめ呼吸, 1秒率低下, 閉塞性換気障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 換気障害の型 主な聴診所見 特徴的な症状
肺気腫(COPD) 閉塞性(1秒率低下) 呼吸音減弱 口すぼめ呼吸、樽状胸
気胸 - 患側呼吸音消失 突然の胸痛
肺水腫 - 湿性ラ音 起座呼吸、泡沫状喀痰
間質性肺炎 拘束性(肺活量低下) 捻髪音 乾性咳嗽、KL-6高値
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題74|「45歳の男性。労作時の呼吸困難、咳嗽、喀痰を主訴に来院した。胸部の聴診で呼吸音は減弱し、視診上、口すぼめ呼吸がみられ、呼吸機能検査で1秒率の低下を認めた。」この症状の原因はどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題74|「45歳の男性。労作時の呼吸困難、咳嗽、喀痰を主訴に来院した。胸部の聴診で呼吸音は減弱し、視診上、口すぼめ呼吸がみられ、呼吸機能検査で1秒率の低下を認めた。」この症状の原因はどれか。
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