学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0304

理由で解く 臨床医学各論

Q0304 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題70
問題
気管支喘息について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 気道の炎症がみられる。
2 気道の狭窄を呈する。
3 発作時は咳嗽・息苦しさがみられる。
4 肺機能検査では拘束性障害を示す。
解答
正解4(肺機能検査では拘束性障害を示す。)
解説
✗ 1.
気道の炎症がみられる。
✗ 正しい。気管支喘息では好酸球・リンパ球を主体とした気道の慢性炎症がみられ、この記述は正しい。 この慢性炎症が気道過敏性の亢進と気道リモデリング(構造変化)の基盤となっている。 ステロイド吸入による長期管理が必要とされるのは、この気道炎症を抑制するためである。
✗ 2.
気道の狭窄を呈する。
✗ 正しい。気管支喘息では気道平滑筋の収縮、粘膜浮腫、分泌物の増加により気道狭窄を呈し、この記述は正しい。 この狭窄は可逆的であり、気管支拡張薬で改善する点が肺気腫の不可逆的な気流制限とは大きく異なる。 可逆性の有無はCOPDとの鑑別において重要な指標である。
✗ 3.
発作時は咳嗽・息苦しさがみられる。
✗ 正しい。発作時には咳嗽・喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)・息苦しさ(呼吸困難)がみられ、この記述は正しい。 夜間から早朝にかけて症状が増悪しやすく、重症例では起坐呼吸を呈する。 発作の程度は軽症から生命を脅かす重篤な状態まで幅広い。
✓ 4. 誤り
肺機能検査では拘束性障害を示す。
気管支喘息では気道狭窄による閉塞性換気障害(1秒率の低下)を示すのであり、拘束性障害ではない。 拘束性障害(%肺活量の低下)は間質性肺炎や肺線維症でみられる所見である。 閉塞性と拘束性の混同は頻出の誤り選択肢パターンであり、確実に区別しておく必要がある。
ポイント
  • 気管支喘息は閉塞性換気障害(1秒率低下)を示す疾患であり、拘束性障害(%肺活量低下)を示す間質性肺炎・肺線維症と明確に区別する。
  • 気管支喘息の3つの基本病態は「気道の慢性炎症」「気道過敏性の亢進」「可逆性の気道狭窄」である。
  • 気管支喘息の気道狭窄は可逆性であり気管支拡張薬で改善するが、COPDの気流制限は不可逆性である。この可逆性の有無は両疾患の鑑別の重要なポイントである。
  • 重要用語: 閉塞性換気障害, 拘束性換気障害, 可逆性気道狭窄, 気道の慢性炎症 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 閉塞性換気障害(喘息) 拘束性換気障害(肺線維症)
指標 1秒率の低下(< 70%) %肺活量の低下(< 80%)
病態 気道の狭窄、呼気困難 肺の膨張制限
代表疾患 気管支喘息、COPD 肺線維症、じん肺
可逆性 喘息は可逆性あり 不可逆性が多い
聴診 笛声音(wheezes) 捻髪音(fine crackles)
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題70|気管支喘息について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題70|気管支喘息について誤っている記述はどれか。
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