学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0303

理由で解く 臨床医学各論

Q0303 呼吸器疾患

出典:あマ指 第16回(2008) 問題80
問題
喫煙者に起こりやすい健康障害で誤っているのはどれか。
選択肢
1 肺癌
2 慢性気管支炎
3 鉄欠乏性貧血
4 冠動脈疾患
解答
正解3(鉄欠乏性貧血)
解説
✗ 1.
肺癌
✗ 正しい。喫煙は肺癌の最大のリスク因子であり、この記述は正しい。 タバコの煙に含まれる発癌物質(ベンゾピレンなど)が直接気道粘膜に作用する。 特に扁平上皮癌と小細胞癌は喫煙との関連が強く、喫煙指数(1日の本数 × 年数)が高いほどリスクが上昇する。
✗ 2.
慢性気管支炎
✗ 正しい。喫煙による気道への慢性的な刺激が慢性気管支炎の主要な原因であり、この記述は正しい。 気道分泌の増加と粘膜の慢性炎症をきたし、進行するとCOPDの発症につながる。 喫煙者のほとんどが慢性気管支炎の症状を有しているとされる。
✓ 3. 誤り
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は慢性出血(消化管出血、月経過多など)や鉄の摂取不足・吸収障害が原因であり、喫煙とは直接関連しない。 むしろ喫煙者では一酸化炭素ヘモグロビン(CO-Hb)の増加に対する代償として赤血球が増加し、多血症(赤血球増加症)をきたしやすい。 したがって「鉄欠乏性貧血が喫煙者に起こりやすい」という記述は明確な誤りである。
✗ 4.
冠動脈疾患
✗ 正しい。喫煙は動脈硬化を促進する主要なリスク因子であり、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)のリスクを高める。この記述は正しい。 喫煙により血管内皮障害、血小板凝集促進、脂質代謝異常が生じ、動脈硬化が加速する。 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症、バージャー病)のリスクも増大する。
ポイント
  • 喫煙が関連する主な健康障害は、肺癌、COPD(肺気腫・慢性気管支炎)、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、多血症などである。
  • 鉄欠乏性貧血は鉄の欠乏が原因であり、喫煙とは無関係である。喫煙者はむしろ多血症(赤血球増加症)傾向をきたしやすい。
  • 喫煙は肺癌のうち特に扁平上皮癌・小細胞癌との関連が強く、腺癌は非喫煙者にも多い点を区別しておく。
  • 重要用語: 喫煙, 肺癌, COPD, 動脈硬化, 多血症, 鉄欠乏性貧血は喫煙と無関係 を正確に理解しておくこと。
比較表
喫煙関連疾患 機序
肺癌 発癌物質による気道粘膜の障害
COPD(肺気腫・慢性気管支炎) 気道・肺胞への慢性的な刺激と破壊
冠動脈疾患 動脈硬化の促進、血管内皮障害
末梢動脈疾患 血管内皮障害、血小板凝集促進
脳血管疾患 動脈硬化の促進
多血症 CO-Hb増加に対する代償性赤血球増加
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題80|喫煙者に起こりやすい健康障害で誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題80|喫煙者に起こりやすい健康障害で誤っているのはどれか。
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