学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0298

理由で解く 臨床医学各論

Q0298 呼吸器疾患

出典:あマ指 第14回(2006) 問題80
問題
気管支喘息の症状として適切でないのはどれか。
選択肢
1 咳嗽
2 吸気の延長
3 起坐呼吸
4 喘鳴
解答
正解2(吸気の延長)
解説
✗ 1.
咳嗽
✗ 正しい。咳嗽は気管支喘息の主症状の一つであり、発作時や夜間に増悪する。 咳嗽のみで喘鳴を伴わない「咳喘息」と呼ばれる病型もあり、典型的な喘鳴を欠くため診断が遅れることがある。 喘息における咳嗽は気道炎症に伴う気道過敏性の亢進が原因である。
✓ 2. 誤り
吸気の延長
気管支喘息では吸気ではなく呼気の延長がみられる。 気道の狭窄により空気を吐き出しにくくなるため、呼気時間が延長する。 聴診でも笛声音(wheezes)は呼気時に強く聴取される。吸気の延長は上気道狭窄(クループ、喉頭浮腫など)の特徴であり、喘息とは病態が異なる。
✗ 3.
起坐呼吸
✗ 正しい。起坐呼吸は重症の喘息発作時にみられる症状であり、臥位では呼吸困難が増悪するため坐位をとる。 坐位により呼吸補助筋を効果的に使用でき、横隔膜の運動を助けるため患者は自然にこの姿勢をとる。 起坐呼吸は左心不全でもみられるため、心臓喘息との鑑別に注意が必要である。
✗ 4.
喘鳴
✗ 正しい。喘鳴は気道狭窄により生じる「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という呼吸音であり、気管支喘息の最も特徴的な所見である。 聴診上は笛声音(wheezes)として聴取され、呼気時に強く聞こえる。 喘鳴が聴取されない場合でも、気道過敏性が亢進していれば咳喘息として対応する。
ポイント
  • 気管支喘息は閉塞性換気障害であるため呼気の延長がみられ、吸気の延長ではない。「吸気」と「呼気」の取り違えに注意すること。
  • 上気道閉塞(クループなど)では吸気性喘鳴(stridor)が生じるが、下気道閉塞(喘息)では呼気性喘鳴(wheezes)となる点も区別しておく。
  • 起坐呼吸は喘息の重症発作と左心不全の両方でみられるため、他の所見と合わせた鑑別が必要である。
  • 重要用語: 呼気延長, 笛声音(wheezes), 起坐呼吸, 吸気性喘鳴と呼気性喘鳴の区別 を正確に理解しておくこと。
比較表
喘息の症状 特徴
咳嗽 発作時・夜間に増悪、咳喘息もある
呼気延長 気道狭窄により呼気が困難(吸気延長ではない)
喘鳴 笛声音(wheezes)、呼気時に強い
起坐呼吸 重症発作時に坐位をとる
呼吸困難 夜間~早朝に増悪しやすい
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題80|気管支喘息の症状として適切でないのはどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題80|気管支喘息の症状として適切でないのはどれか。
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