学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0287

理由で解く 臨床医学各論

Q0287 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題71
問題
肺気腫について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 ビール樽状胸郭を示す。
2 一秒率が低下する。
3 肺野のX線透過性が亢進する。
4 動脈血酸素分圧が上昇する。
解答
正解4(動脈血酸素分圧が上昇する)
解説
✗ 1.
ビール樽状胸郭を示す。
✗ 正しい。肺気腫では肺の過膨張により胸郭の前後径が増大し、樽状胸(ビール樽状胸郭)を示す。呼気時に口すぼめ呼吸を認めるようになり、胸郭は前後径が増大する特徴的な体型変化を呈する。
✗ 2.
一秒率が低下する。
✗ 正しい。肺気腫は閉塞性換気障害を示し、1秒率(FEV1.0%)が低下する。肺機能検査で閉塞性障害(呼出困難、1秒率の低下、残気率の増加)を特徴とし、COPDの診断基準として1秒率70%未満が用いられる。
✗ 3.
肺野のX線透過性が亢進する。
✗ 正しい。肺気腫では肺胞壁が破壊され含気量が増加するため、胸部X線でX線透過性が亢進する。肺の過膨脹と横隔膜の平低化が特徴的な画像所見であり、CTでは低吸収域(LAA)として認められる。
✓ 4. 誤り
動脈血酸素分圧が上昇する。
肺気腫では動脈血酸素分圧は上昇ではなく低下する。肺胞壁の破壊によりガス交換面積が減少し、換気血流比不均等が生じて低酸素血症をきたす。進行すると高炭酸ガス血症も伴い、肺性心や呼吸不全状態に至る。
ポイント
  • 肺気腫は終末細気管支よりも末梢での気腔の不可逆的な拡大をきたした疾患であり、小葉中心性(喫煙関連)が大部分を占める。
  • 肺機能検査で閉塞性障害(1秒率の低下、残気率の増加)を特徴とし、胸部X線では肺の過膨脹・横隔膜平低化・透過性亢進を認める。
  • 胸郭は前後径が増す樽状胸となり、口すぼめ呼吸や呼吸音の減弱が特徴的な身体所見である。
  • 進行すると低酸素血症・高炭酸ガス血症から肺性心に至り、高濃度酸素投与によるCO2ナルコーシスに注意が必要である。
  • 重要用語: 樽状胸, 1秒率低下, X線透過性亢進, 低酸素血症, 肺性心 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 肺気腫の特徴
胸部X線 肺の過膨脹、横隔膜平低化、透過性亢進
肺機能 1秒率低下、残気率増加(閉塞性障害)
身体所見 樽状胸、呼吸音減弱、呼気延長、口すぼめ呼吸
血液ガス 低酸素血症、高炭酸ガス血症(進行例)
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題71|肺気腫について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題71|肺気腫について誤っている記述はどれか。
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