学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ B. 閉塞性呼吸器疾患 / Q0286

理由で解く 臨床医学各論

Q0286 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題69
問題
肺気腫の発症に最も関与する疾患はどれか。
選択肢
1 胸膜炎
2 気胸
3 肺癌
4 慢性気管支炎
解答
正解4(慢性気管支炎)
解説
✗ 1. 誤り
胸膜炎
胸膜炎は胸膜の炎症であり、胸水貯留が主な病態である。肺胞壁の破壊を起こす機序はなく、肺気腫の発症には直接関与しない。結核性胸膜炎や癌性胸膜炎が代表的である。
✗ 2. 誤り
気胸
気胸は胸腔内に空気が漏入する病態であり、肺気腫の原因とはならない。むしろ肺気腫により肺胞壁が脆弱化した結果として続発性自然気胸が生じることがあり、因果関係は逆である。
✗ 3. 誤り
肺癌
肺癌は悪性腫瘍であり、肺気腫の発症原因とはならない。喫煙が両疾患の共通の危険因子ではあるが、腫瘍増殖と肺胞壁の破壊は病態が全く異なる。
✓ 4. 正しい
慢性気管支炎
慢性気管支炎は肺気腫の発症に最も関与する疾患である。両疾患はそれぞれ形態学的診断と症状による診断であるが、区別が困難な症例や混在する症例が多い。同じ原因物質(タバコの煙や大気汚染)から生じるため、気道閉塞を認める両疾患を合わせてCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と総称されている。
ポイント
  • 肺気腫と慢性気管支炎は同じ原因物質(タバコの煙や大気汚染)から生じ、両疾患の境界は不明瞭である。
  • 障害部位が気道中心の場合を慢性気管支炎とし、肺胞中心の場合を肺気腫と分類するが、両者の特徴を有する混合型が多い。
  • 喫煙が両疾患の最大の共通危険因子であり、禁煙が最も重要な治療法である。
  • 重要用語: 慢性気管支炎, 肺気腫, COPD, 喫煙, 気道閉塞 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 障害部位 主な症状
慢性気管支炎 中枢気道中心 慢性咳嗽、膿性喀痰
肺気腫 肺胞中心 労作時呼吸苦、呼吸音減弱
COPD 両者の混在 気道閉塞、呼吸困難
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題69|肺気腫の発症に最も関与する疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題69|肺気腫の発症に最も関与する疾患はどれか。
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