学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0279

理由で解く 臨床医学各論

Q0279 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題66
問題
呼吸器感染症について正しいのはどれか。
選択肢
1 非結核性抗酸菌は人から人へ感染する。
2 感冒の原因は主に細菌感染である。
3 肺結核の治療は抗菌薬の単剤治療である。
4 肺炎治療で菌の耐性化が問題となっている。
解答
正解4(肺炎治療で菌の耐性化が問題となっている)
解説
✗ 1. 誤り
非結核性抗酸菌は人から人へ感染する。
非結核性抗酸菌は環境中(土中や水中)に広く存在する菌であり、ヒトからヒトへの感染はない。結核菌とは異なり空気感染を起こさないため、隔離の必要はない。
✗ 2. 誤り
感冒の原因は主に細菌感染である。
かぜ症候群(感冒)の原因の90〜95%はウイルスによるものである。ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどが主要な起因ウイルスであり、細菌感染は主な原因ではない。
✗ 3. 誤り
肺結核の治療は抗菌薬の単剤治療である。
肺結核の治療は多剤併用療法が原則である。標準治療はINH(イソニアジド)・RFP(リファンピシン)・EB(エタンブトール)・PZA(ピラジナミド)の4剤を2ヵ月間投与後、INH・RFPを4ヵ月間投与する計6ヵ月の治療法である。単剤治療では耐性菌が出現するリスクが高い。
✓ 4. 正しい
肺炎治療で菌の耐性化が問題となっている。
日本では感染症に対して高価な広域抗菌薬を安易に使用する傾向があり、菌の耐性化が大きな問題となっている。MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)をはじめ、ペニシリン耐性肺炎球菌やバンコマイシン耐性腸球菌などの耐性菌が院内感染の主要原因菌として注目されている。
ポイント
  • 日本では広域抗菌薬の安易な使用により菌の耐性化が深刻な問題となっており、抗菌薬適正使用(Antimicrobial Stewardship)が推進されている。
  • MRSAは黄色ブドウ球菌が耐性化した多剤耐性菌であり、免疫能低下患者で致命的感染症の原因となる。
  • 非結核性抗酸菌はヒト-ヒト感染がなく、肺結核は多剤併用療法が必須である点を区別して覚える。
  • 重要用語: 薬剤耐性菌, MRSA, 抗菌薬適正使用, 多剤併用療法 を正確に理解しておくこと。
比較表
耐性菌の種類 特徴
MRSA メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、多剤耐性、院内感染の主要原因
ペニシリン耐性肺炎球菌 ペニシリン系抗生物質に耐性
バンコマイシン耐性菌 最終手段の抗菌薬に耐性
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題66|呼吸器感染症について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題66|呼吸器感染症について正しいのはどれか。
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