学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0277

理由で解く 臨床医学各論

Q0277 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題65
問題
肺抗酸菌症について正しいのはどれか。
選択肢
1 結核患者は届け出る必要はない。
2 咳が 4 週間以上持続している場合は肺結核を考慮する。
3 抗結核薬は 1 剤を投与する。
4 非結核性抗酸菌症も結核と同様に隔離する必要がある。
解答
正解2(咳が4週間以上持続している場合は肺結核を考慮する)
解説
✗ 1. 誤り
結核患者は届け出る必要はない。
結核は感染症法における二類感染症に指定されており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る義務がある。結核は空気感染により集団感染を引き起こす可能性があるため、公衆衛生上の観点から届出は法的義務であり、怠った場合は罰則の対象となる。
✓ 2. 正しい
咳が 4 週間以上持続している場合は肺結核を考慮する。
長期間続く咳嗽や喀痰がある場合は、結核の可能性も考慮することが必要である。特に4週間以上持続する咳は肺結核を疑う重要な指標となる。肺結核の典型的症状は慢性咳嗽、喀痰、微熱、盗汗、体重減少であり、これらの症状が続く場合には胸部X線検査や喀痰検査を行うべきである。
✗ 3. 誤り
抗結核薬は 1 剤を投与する。
抗結核薬は耐性菌出現を防ぐため多剤併用療法が原則である。標準治療ではイスコチン(INH)、リファンピシン(RFP)、エサンプトール(EB)、ピラジナマイド(PZA)の4剤を2ヵ月服用後、INHとRFPを4ヵ月服用する計6ヵ月の治療を行う。1剤のみの投与は耐性菌を生じさせるため禁忌である。
✗ 4. 誤り
非結核性抗酸菌症も結核と同様に隔離する必要がある。
非結核性抗酸菌症はヒトからヒトへの感染がないため、結核と異なり隔離する必要はない。非結核性抗酸菌(MAC菌など)は土壌や水系などの環境中に広く分布しており、環境から直接感染するが、患者間の伝播は認められていない。そのため感染症法上の届出義務もない。
ポイント
  • 4週間以上持続する咳嗽や喀痰は肺結核を疑う重要な指標であり、胸部X線検査や喀痰検査で精査する。
  • 結核は二類感染症であり、診断した医師は直ちに保健所への届出義務がある。
  • 抗結核薬は多剤併用療法が標準であり、INH・RFP・EB・PZAの4剤を用いる。耐性菌出現防止のため単剤使用は禁忌である。
  • 非結核性抗酸菌症はヒトからヒトへの感染がなく隔離不要であり、結核との重要な相違点である。
  • 重要用語: 肺抗酸菌症、多剤併用療法、非結核性抗酸菌症、二類感染症 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 肺結核 非結核性抗酸菌症
原因菌 結核菌(M. tuberculosis) MAC菌など(環境中の抗酸菌)
感染経路 空気感染(ヒト→ヒト) 環境からの感染(ヒト→ヒト感染なし)
届出義務 あり(二類感染症) なし
隔離の必要性 あり なし
治療 INH・RFP・EB・PZA多剤併用 クラリスロマイシン含む多剤併用
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題65|肺抗酸菌症について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題65|肺抗酸菌症について正しいのはどれか。
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