学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0274

理由で解く 臨床医学各論

Q0274 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題70
問題
マイコプラズマ肺炎で正しい記述はどれか。
選択肢
1 老年者に頻度が高い。
2 潜伏期は2~3 日である。
3 消化器症状はみられない。
4 乾性咳が多い。
解答
正解4(乾性咳が多い)
解説
✗ 1. 誤り
老年者に頻度が高い。
マイコプラズマ肺炎は5〜35歳の若年者(小児から若年成人)に好発する異型肺炎であり、老年者に頻度が高いわけではない。高齢者に特徴的な肺炎は嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)であり、マイコプラズマ肺炎とは好発年齢が大きく異なる。
✗ 2. 誤り
潜伏期は2~3 日である。
マイコプラズマ肺炎の潜伏期は2〜3週間程度であり、2〜3日という短期間ではない。インフルエンザ(潜伏期1〜3日)や通常の細菌性肺炎と比べて潜伏期が長いのが特徴であり、感染経路の追跡においても重要な情報となる。
✗ 3. 誤り
消化器症状はみられない。
マイコプラズマ肺炎では呼吸器症状が主体であるが、嘔気・嘔吐・下痢などの消化器症状を伴うことがある。マイコプラズマ感染症は全身性の感染症であり、呼吸器以外にも中耳炎、髄膜炎、溶血性貧血、皮膚粘膜病変など多彩な肺外合併症を呈しうる。
✓ 4. 正しい
乾性咳が多い。
マイコプラズマ肺炎では痰は少なく白色で、空咳(乾性咳嗽)が中心である。39℃近い高熱とともに頑固な乾性咳嗽が出現し、夜間眠れないほどの咳をしばしば認めるが、膿性痰は出ない。細菌性肺炎の湿性咳嗽とは対照的な所見であり、鑑別のポイントとなる。
ポイント
  • マイコプラズマ肺炎は若年成人に頻度が高い非定型肺炎であり、39℃近い高熱と空咳(乾性咳嗽)が特徴である。
  • 潜伏期は2〜3週間と長く、夜間眠れないほどの咳をしばしば認めるが、膿性痰は出ない点が細菌性肺炎と異なる。
  • 細胞壁をもたないため、ペニシリン系やセファロスポリン系は無効であり、マクロライド系や新キノロン系抗菌薬が有効である。
  • 肺外合併症として中耳炎、髄膜炎、溶血性貧血、皮膚粘膜病変などがみられることがある。
  • 重要用語: マイコプラズマ肺炎、乾性咳嗽、潜伏期、マクロライド系抗菌薬 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 マイコプラズマ肺炎 細菌性肺炎(肺炎球菌性)
好発年齢 5〜35歳(若年者) 全年齢(特に高齢者)
潜伏期 2〜3週間 数日
咳嗽の性状 乾性咳嗽(空咳) 湿性咳嗽(膿性痰)
有効な抗菌薬 マクロライド系・新キノロン系 ペニシリン系
予後 一般に良好 高齢者では重症化しやすい
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題70|マイコプラズマ肺炎で正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題70|マイコプラズマ肺炎で正しい記述はどれか。
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