学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0275

理由で解く 臨床医学各論

Q0275 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題67
問題
肺炎について正しいのはどれか。
選択肢
1 原因はウイルス感染が多い。
2 若年者は高齢者と比較して死亡する危険性が高い。
3 肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている。
4 マイコプラズマ肺炎では湿性咳嗽が多い。
解答
正解3(肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている)
解説
✗ 1. 誤り
原因はウイルス感染が多い。
肺炎の原因は細菌が大部分を占めており、ウイルス感染が多いわけではない。頻度では肺炎球菌がもっとも多く、若年成人ではマイコプラズマ、高齢者ではインフルエンザ菌がそれに続く。なお、かぜ症候群はウイルスが原因の90〜95%を占めるが、肺炎とは区別する必要がある。
✗ 2. 誤り
若年者は高齢者と比較して死亡する危険性が高い。
高齢者では肺炎による死亡率が著しく高く、加齢とともに急激に増加する。65〜69歳は10万人あたり44人、75〜79歳は253人、85〜89歳は1,266人と年齢に比例して上昇する。若年者の方が危険性が高いという記述は事実と逆であり、高齢者こそ重症化・死亡のリスクが高い。
✓ 3. 正しい
肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている。
肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている。肺炎球菌は市中肺炎の最多原因菌であり、特に高齢者や基礎疾患を有する患者において肺炎球菌ワクチンの接種により重症肺炎の予防効果が期待できる。65歳以上の高齢者には定期接種として推奨されている。
✗ 4. 誤り
マイコプラズマ肺炎では湿性咳嗽が多い。
マイコプラズマ肺炎では乾性咳嗽(空咳)が特徴であり、湿性咳嗽ではない。痰は少なく白色で、夜間眠れないほどの頑固な空咳が中心である。膿性痰を伴う湿性咳嗽は肺炎球菌などによる細菌性肺炎に特徴的な所見であり、マイコプラズマ肺炎とは対照的である。
ポイント
  • 肺炎は経気道的に入り込んだ微生物が肺胞腔内で炎症をきたす状態であり、原因の大部分は細菌である。
  • 肺炎球菌がもっとも多く、若年成人ではマイコプラズマが、高齢者ではインフルエンザ菌が多い。
  • 高齢者では加齢とともに肺炎による死亡率が著しく増加するため、肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている。
  • マイコプラズマ肺炎は乾性咳嗽、細菌性肺炎は湿性咳嗽が特徴であり、咳嗽の性状が鑑別のポイントとなる。
  • 重要用語: 肺炎球菌、肺炎球菌ワクチン、高齢者死亡率、乾性咳嗽と湿性咳嗽 を正確に理解しておくこと。
比較表
肺炎の原因 起炎微生物 好発年齢 咳嗽の性状
肺炎球菌性肺炎 肺炎球菌 全年齢(高齢者に多い) 湿性咳嗽(膿性痰)
マイコプラズマ肺炎 Mycoplasma pneumoniae 若年成人(5〜35歳) 乾性咳嗽(空咳)
インフルエンザ菌肺炎 インフルエンザ菌 高齢者・基礎疾患あり 湿性咳嗽
嚥下性肺炎 口腔内嫌気性菌 高齢者 湿性咳嗽
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題67|肺炎について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題67|肺炎について正しいのはどれか。
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