学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0913

理由で解く 臨床医学各論

Q0913 循環器疾患

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題68
問題
心房細動について正しいのはどれか。
選択肢
1 若年者で罹患率が高い。
2 僧帽弁狭窄症は原因となる.
3 くも膜下出血の発症リスクとなる。
4 心電図では異常Q波の出現が特徴である。
解答
正解2(僧帽弁狭窄症は原因となる.)
解説
✗ 1. 誤り
若年者で罹患率が高い。
心房細動は加齢に伴い罹患率が上昇する不整脈であり、若年者の罹患率は低い。50代では0.5%程度であるが、65歳以上で5%、80代では8.8%に増加する。55歳を過ぎると10年ごとに倍加するともいわれ、高齢化社会で最もよくみられる不整脈である。
✓ 2. 正しい
僧帽弁狭窄症は原因となる.
僧帽弁狭窄症では弁口の狭窄により左房圧が上昇し、左房が拡大する。左房の拡大は心房細動をきたしやすく、中等度以上の僧帽弁狭窄症が数年間持続すると心房性不整脈の頻度が増す。心房細動の原因には加齢のほか、心房拡大、アルコール、甲状腺機能亢進症などがあり、僧帽弁狭窄症による左房拡大は重要な原因の一つである。
✗ 3. 誤り
くも膜下出血の発症リスクとなる。
心房細動では左房内に血栓が形成されやすく、血栓がはがれて脳動脈に塞栓を起こすと脳梗塞(脳塞栓)を発症する。脳梗塞の合併率は年間4〜5%であり、心房細動のない人より約6倍高い。一方、くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂が主因であり、心房細動との直接的な関連は薄い。脳梗塞とくも膜下出血を混同しないこと。
✗ 4. 誤り
心電図では異常Q波の出現が特徴である。
心房細動の心電図所見は心房収縮を示すP波の消失とf波(細動波)の出現、心筋収縮の間隔が不整(R-R間隔不整)であることが特徴である。異常Q波は心筋梗塞(心筋壊死)を示す心電図所見であり、心房細動とは全く異なる所見である。
ポイント
  • 心房細動の原因として僧帽弁狭窄症による左房拡大が重要であり、心房細動は脳梗塞(脳塞栓)のリスク因子であることを理解する。
  • 心房細動の心電図所見(P波消失・f波・R-R不整)と心筋梗塞の心電図所見(ST上昇・異常Q波・冠性T波)を混同しないこと。
  • 心房細動は加齢とともに有病率が上昇し、55歳以降は10年ごとに倍加する高齢者に多い不整脈である。
  • 重要用語: 心房細動、僧帽弁狭窄症、脳塞栓、P波消失 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 心房細動 心筋梗塞
心電図特徴 P波消失・f波・R-R不整 ST上昇・異常Q波・冠性T波
合併リスク 脳梗塞(脳塞栓) 心室細動・心不全
原因 加齢・心房拡大・甲状腺機能亢進症 冠動脈閉塞(脂質性プラーク破裂)
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題68|心房細動について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題68|心房細動について正しいのはどれか。
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