学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0912

理由で解く 臨床医学各論

Q0912 循環器疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題67
問題
僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。
選択肢
1 先天性が多い。
2 心拍出量は増加する。
3 左房圧は低下する。
4 心房細動の合併が多い。
解答
正解4(心房細動の合併が多い。)
解説
✗ 1. 誤り
先天性が多い。
僧帽弁狭窄症の原因はリウマチ熱(A群溶血性連鎖球菌感染後の自己免疫反応)による後天性のものが大多数を占める。リウマチ熱による心内膜炎後、約20年を経て僧帽弁の炎症・線維化・癒合が進行し、弁口が狭窄する。先天性の僧帽弁狭窄症はまれである。
✗ 2. 誤り
心拍出量は増加する。
僧帽弁口が狭窄すると、拡張期に左房から左室への血液流入が障害される。正常の僧帽弁口面積は4〜5cm²であるが、1〜1.5cm²以下になると左室への流入が著しく制限されるため、心拍出量は低下する。増加するのではない。
✗ 3. 誤り
左房圧は低下する。
僧帽弁口が狭窄すると左房から左室へ血液を送り出すことが困難になり、左房内に血液がうっ滞するため左房圧は上昇する。左房圧が低下するのではなく、上昇することが病態の本質であり、これが肺うっ血や肺高血圧の原因となる。
✓ 4. 正しい
心房細動の合併が多い。
僧帽弁狭窄症では左房圧の上昇に伴い左房が拡大する。左房の拡大は心房細動をきたしやすく、中等度以上の僧帽弁狭窄症が数年間持続すると心房細動の頻度が増す。心房細動を合併すると左房内で血栓が形成されやすくなり、脳などへの塞栓症のリスクが高くなるため、ワーファリンによる抗凝固療法が必要となる。
ポイント
  • 僧帽弁狭窄症の病態の連鎖:僧帽弁口狭窄→左房圧上昇→左房拡大→心房細動→血栓形成→塞栓症。この一連の流れを正確に理解することが重要。
  • 僧帽弁狭窄症はリウマチ熱の後遺症として後天的に発症するが、症状出現まで約20年の潜伏期がある。
  • 心房細動を合併すると塞栓症の頻度が高くなるため、ワーファリンによる抗凝固療法が必要となる。
  • 重要用語: 僧帽弁狭窄症, 心房細動, 左房拡大, 塞栓症, 抗凝固療法 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題67|僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題67|僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。
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