学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0914

理由で解く 臨床医学各論

Q0914 循環器疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題66
問題
心不全について正しいのはどれか。
選択肢
1 左心不全では下肢の浮腫は顕著である。
2 左心不全では臥位で症状が軽快する。
3 心拍出量が低下する。
4 血中ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値が低下する。
解答
正解3(心拍出量が低下する。)
解説
✗ 1. 誤り
左心不全では下肢の浮腫は顕著である。
下肢の浮腫(すねで圧痕を残すむくみ)は右心不全に顕著な症状である。右心不全では右心室の機能低下により上・下大静脈がうっ血し、浮腫、肝腫大、食欲低下、倦怠感などが出現する。左心不全では肺うっ血による呼吸困難が主症状であり、下肢浮腫は目立たない。
✗ 2. 誤り
左心不全では臥位で症状が軽快する。
左心不全では臥位になると下半身の静脈血が肺循環に還流しやすくなり、肺うっ血が悪化するため症状は増悪する。そのため患者は起座位(座った姿勢)で呼吸する起座呼吸をとる。夜間就寝後数時間で息苦しさが出現する夜間発作性呼吸困難も左心不全の特徴的症状である。
✓ 3. 正しい
心拍出量が低下する。
心不全とは心臓のポンプ機能が低下し、組織へ必要な量の血液を送り出すことができない状態である。心筋の収縮力低下(収縮不全)や心臓の拡張不良(拡張不全、心不全全体の30〜40%)により心拍出量が低下し、全身の臓器に十分な血液供給ができなくなる。急激に心拍出量が低下し循環不全をきたした場合は心原性ショックと呼ばれる。
✗ 4. 誤り
血中ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値が低下する。
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は循環血液量の増加や心室壁へのストレスなど心負荷の増大により、BNP前駆体から分解されて血中に放出される。心不全ではBNP値およびNT-proBNP値は上昇し、心不全の診断や重症度評価に有用なマーカーとなる。低下するのではなく上昇する。
ポイント
  • 左心不全と右心不全の症状の違いを正確に区別する。左心不全=肺うっ血(呼吸困難・起座呼吸・夜間発作性呼吸困難)、右心不全=体静脈うっ血(下肢浮腫・肝腫大・頸静脈怒張)。
  • 心不全のマーカーとしてBNPは上昇する。心不全でBNPが低下するという記述は誤りである。
  • 心不全には収縮不全と拡張不全があり、拡張不全は心不全全体の30〜40%を占める。
  • 重要用語: 心拍出量低下、左心不全、右心不全、BNP、起座呼吸 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 左心不全 右心不全
うっ血部位 肺静脈・肺毛細血管 上・下大静脈
主症状 呼吸困難・起座呼吸 下肢浮腫・肝腫大
体位と症状 臥位で悪化 体位変化の影響は少ない
胸部X線 肺うっ血・心拡大 上大静脈拡張
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題66|心不全について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題66|心不全について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手