学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ C. 膵臓疾患 / Q0262

理由で解く 臨床医学各論

Q0262 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題87
問題
「55歳の女性。2か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」最も疑われる疾患はどれか。
選択肢
1 子宮筋腫
2 尿路結石
3 腎盂腎炎
4 膵臓癌
解答
正解4(膵臓癌)
解説
✗ 1. 誤り
子宮筋腫
子宮筋腫は過多月経や下腹部痛が主症状であり、背部の持続的な鈍痛や体重減少・食欲不振を主症状とすることは少ない。子宮筋腫はエストロゲン依存性疾患とされており、55歳は閉経期以降であるため筋腫は縮小傾向にあり、新たに症状を呈することは考えにくい。
✗ 2. 誤り
尿路結石
尿路結石は突発的な激しい側腹部〜背部痛(疝痛発作)が特徴であり、2か月にわたる持続的な鈍痛は典型的ではない。また体重減少や食欲不振は尿路結石では通常みられない。結石による痛みは間欠的で体動で増悪する特徴がある。
✗ 3. 誤り
腎盂腎炎
腎盂腎炎は発熱・側腹部痛・膿尿が三主徴であり、本症例で発熱がないことから否定的である。腎盂腎炎は急性経過をとることが多く、2か月にわたる慢性的な背部鈍痛と体重減少は典型的な所見とはいえない。
✓ 4. 正しい
膵臓癌
背部の持続的鈍痛・食欲不振・体重減少・倦怠感の組合せは膵臓癌を強く疑わせる。膵臓は後腹膜臓器であるため、膵臓癌の進行に伴い背部痛が出現する。初期には無症状であることが多く、体重減少・食欲不振・背部痛が出現した時点では進行例であることが多い。発熱がないことも感染症より悪性腫瘍を示唆する所見である。
ポイント
  • 中高年の背部持続痛+体重減少+食欲不振+発熱なしでは膵臓癌を疑う。
  • 膵臓は後腹膜臓器のため背部痛を呈し、初期は無症状で発見時には進行例が多い。
  • 尿路結石は疝痛発作(突発的激痛)が特徴、腎盂腎炎は発熱が三主徴の一つである。
  • 重要用語: 膵臓癌、後腹膜臓器、背部痛、体重減少 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 痛みの性状 随伴症状 発熱
膵臓癌 持続性の背部鈍痛 体重減少・食欲不振 なし
尿路結石 突発的な激しい疝痛 血尿・悪心 通常なし
腎盂腎炎 側腹部痛 膿尿・頻尿 高熱あり
子宮筋腫 下腹部痛 過多月経・貧血 なし
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題87|「55歳の女性。2か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」最も疑われる疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題87|「55歳の女性。2か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」最も疑われる疾患はどれか。
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