学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ D. 筋・腱疾患 / Q0695

理由で解く 臨床医学各論

Q0695 整形外科疾患

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題86
問題
「70歳の男性。車を停車中に左上肢を伸ばし後部座席の物を取ったところ、肩峰部に激痛を感じた。肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない。」診断確定のための検査で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 エックス線検査
2 CT 検査
3 MRI 検査
4 筋電図検査
解答
正解3(MRI 検査)
解説
✗ 1. 誤り
エックス線検査
エックス線検査は骨の評価には優れているが、軟部組織である腱板そのものは描出されない。間接所見として肩峰下の間隙狭小化や上腕骨頭の上方偏位などを認めることはあるが、腱板断裂の直接的な診断確定には不十分である。骨折の除外には有用であるため初診時のスクリーニングとしては行われる。
✗ 2. 誤り
CT 検査
CT検査は骨の詳細な立体的評価に優れ、骨折や骨棘の評価に有用である。造影剤を用いたCT関節造影で腱板断裂を描出することも可能だが、侵襲性があり、軟部組織の評価ではMRIに劣る。骨棘による腱板のインピンジメントの評価には有用な場合がある。
✓ 3. 正しい
MRI 検査
MRI検査は軟部組織の描出に最も優れた画像検査法であり、腱板断裂の診断確定にはゴールドスタンダードとされる。腱板の断裂部位(棘上筋、棘下筋など)、断裂の範囲と程度(完全断裂か部分断裂か)、筋の萎縮や脂肪変性の程度などを非侵襲的に詳細に評価できる。治療方針の決定(保存療法か手術療法か)や手術術式の選択に重要な情報を提供する。
✗ 4. 誤り
筋電図検査
筋電図検査は末梢神経障害(神経伝導速度の測定、脱神経所見の検出)や筋疾患(筋原性変化の検出)の診断に用いられる。腱板断裂は筋腱の断裂であり、神経や筋自体の疾患ではないため、筋電図検査は診断確定には適さない。ただし腱板断裂と神経障害の鑑別が必要な場合には補助的に用いられることがある。
ポイント
  • 腱板断裂の診断には理学所見(ドロップアームテストなど)と画像診断を組み合わせ、MRIが第一選択となる
  • MRIは軟部組織の描出に最も優れ、断裂部位・範囲・筋萎縮の程度を非侵襲的に評価できるゴールドスタンダードである
  • X線は骨折除外のスクリーニング、超音波は簡便な腱板評価に有用だが、診断確定にはMRIが必要である
  • 重要用語: MRI検査と腱板断裂の画像診断 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題86|「70歳の男性。車を停車中に左上肢を伸ばし後部座席の物を取ったところ、肩峰部に激痛を感じた。肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない。」診断確定のための検査で最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題86|「70歳の男性。車を停車中に左上肢を伸ばし後部座席の物を取ったところ、肩峰部に激痛を感じた。肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない。」診断確定のための検査で最も適切なのはどれか。
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