学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ C. 膵臓疾患 / Q0263

理由で解く 臨床医学各論

Q0263 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題88
問題
「55歳の女性。2か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」行うべき検査で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 腹部超音波検査
2 尿沈渣
3 血液像(白血球分画)
4 腹部エックス線検査
解答
正解1(腹部超音波検査)
解説
✓ 1. 正しい
腹部超音波検査
膵臓癌が疑われる本症例では、腹部超音波検査が最も適切な初期スクリーニング検査である。超音波検査は非侵襲的で簡便に施行可能であり、膵臓の腫瘤・胆管拡張・膵管拡張などを検出できる。各種悪性腫瘍の診断に超音波検査がみられ、異常所見があればCTやMRI(MRCP)でさらに精査し、腫瘍マーカー(CA19-9、CEA)の測定も行う。
✗ 2. 誤り
尿沈渣
尿沈渣は腎炎・尿路感染症・尿路結石など泌尿器疾患の評価に用いる検査であり、膵臓癌の評価には適さない。本症例は発熱がなく尿路症状も認めないため、泌尿器疾患より悪性腫瘍が疑われ、尿沈渣の優先度は低い。
✗ 3. 誤り
血液像(白血球分画)
血液像(白血球分画)は感染症や血液疾患の評価に用いる検査であり、膵臓癌のスクリーニングとしては優先度が低い。本症例では発熱がないことからも感染症の可能性は低く、白血球分画検査の意義は乏しい。
✗ 4. 誤り
腹部エックス線検査
腹部単純X線検査は腸閉塞(イレウス)や消化管穿孔(遊離ガス)の検出に有用であるが、膵臓などの実質臓器の詳細な評価には不向きである。軟部組織の腫瘤を描出する能力が低く、膵臓癌の検出力は不十分である。
ポイント
  • 膵臓癌が疑われる場合、初期検査として腹部超音波検査が最も適切で、非侵襲的に膵臓の腫瘤や胆膵管拡張を評価できる。
  • 超音波検査で異常があればCT・MRI・腫瘍マーカー(CA19-9)で精査を進める。
  • 腹部単純X線は実質臓器の評価には不向きであり、尿沈渣・血液像は膵臓癌の評価に適さない。
  • 重要用語: 腹部超音波検査、スクリーニング、膵臓癌、CA19-9 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査 主な評価対象 膵臓癌に対する有用性
腹部超音波検査 実質臓器・胆膵管 高い(初期スクリーニング)
腹部CT検査 全腹部臓器・リンパ節 高い(精密検査)
腹部単純X線 腸管ガス・石灰化 低い
尿沈渣 泌尿器疾患 なし
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題88|「55歳の女性。2か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」行うべき検査で最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題88|「55歳の女性。2か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」行うべき検査で最も適切なのはどれか。
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