学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ C. 膵臓疾患 / Q0260

理由で解く 臨床医学各論

Q0260 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第19回(2011) 問題73
問題
「60歳の男性。断続する腹痛と腹部圧痛があり、画像診断で膵臓内に多数の石灰化が認められ、尿中アミラーゼ値上昇と脂肪便がみられる。」脂肪便はどの細胞の減少によって起こるか。
選択肢
1 膵腺房細胞
2 ランゲルハンス島A 細胞
3 ランゲルハンス島B 細胞
4 ランゲルハンス島D 細胞
解答
正解1(膵腺房細胞)
解説
✓ 1. 正しい
膵腺房細胞
脂肪便は膵外分泌機能の低下により、脂肪を消化するリパーゼをはじめとする消化酵素の分泌が減少して生じる。膵腺房細胞(acinar cell)は消化酵素(リパーゼ、アミラーゼ、トリプシノーゲンなど)を分泌する外分泌細胞であり、慢性膵炎でこの細胞が破壊・減少することで脂肪の消化吸収が障害され、未消化の脂肪が便中に排泄されて脂肪便となる。
✗ 2. 誤り
ランゲルハンス島A 細胞
ランゲルハンス島A細胞(α細胞)はグルカゴンを分泌する内分泌細胞である。グルカゴンは肝臓でのグリコーゲン分解を促進して血糖を上昇させるホルモンであり、脂肪の消化・吸収には直接関与しない。
✗ 3. 誤り
ランゲルハンス島B 細胞
ランゲルハンス島B細胞(β細胞)はインスリンを分泌する内分泌細胞である。インスリンは血糖降下作用を有し、糖代謝に関与するが、脂肪の消化には関与しない。慢性膵炎の進行でβ細胞も障害されると膵性糖尿病を発症する。
✗ 4. 誤り
ランゲルハンス島D 細胞
ランゲルハンス島D細胞(δ細胞)はソマトスタチンを分泌する内分泌細胞である。ソマトスタチンは成長ホルモンやインスリン、グルカゴンの分泌抑制作用を持つが、脂肪の消化には関与しない。
ポイント
  • 膵臓の外分泌機能(消化酵素分泌)を担うのは膵腺房細胞、内分泌機能(ホルモン分泌)を担うのはランゲルハンス島細胞であり、この区別は頻出である。
  • 慢性膵炎が進行すると外分泌機能低下(脂肪便、消化吸収障害)と内分泌機能低下(膵性糖尿病)の両方が出現しうる。
  • 重要用語: 膵腺房細胞、外分泌機能、リパーゼ、脂肪便、ランゲルハンス島(α・β・δ細胞) を正確に理解しておくこと。
比較表
細胞 機能分類 分泌物質 主な作用
膵腺房細胞 外分泌 リパーゼ・アミラーゼ・トリプシンなど 消化酵素の分泌
A細胞(α細胞) 内分泌 グルカゴン 血糖上昇
B細胞(β細胞) 内分泌 インスリン 血糖降下
D細胞(δ細胞) 内分泌 ソマトスタチン ホルモン分泌抑制
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題73|「60歳の男性。断続する腹痛と腹部圧痛があり、画像診断で膵臓内に多数の石灰化が認められ、尿中アミラーゼ値上昇と脂肪便がみられる。」脂肪便はどの細胞の減少によって起こるか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題73|「60歳の男性。断続する腹痛と腹部圧痛があり、画像診断で膵臓内に多数の石灰化が認められ、尿中アミラーゼ値上昇と脂肪便がみられる。」脂肪便はどの細胞の減少によって起こるか。
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