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理由で解く 臨床医学各論

Q0259 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第19回(2011) 問題72
問題
「60歳の男性。断続する腹痛と腹部圧痛があり、画像診断で膵臓内に多数の石灰化が認められ、尿中アミラーゼ値上昇と脂肪便がみられる。」本疾患の成因として最も多いのはどれか。
選択肢
1 肥満
2 喫煙
3 胆石
4 アルコール
解答
正解4(アルコール)
解説
✗ 1. 誤り
肥満
肥満は脂肪肝やメタボリックシンドロームの主要な原因であるが、慢性膵炎の最多原因ではない。肥満により膵臓周囲に脂肪が蓄積し膵機能に影響を及ぼすことはあるが、直接的に膵石灰化や慢性膵炎を引き起こす主因とはならない。
✗ 2. 誤り
喫煙
喫煙は慢性膵炎の独立したリスク因子として近年注目されているが、アルコールに比べると頻度は大幅に低い。喫煙は膵臓の酸化ストレスを増大させ、膵炎の進行を促進する補助因子として位置づけられる。
✗ 3. 誤り
胆石
胆石は急性膵炎の主要な原因(特に女性で最多)であるが、慢性膵炎の最多原因ではない。胆石性膵炎は総胆管結石がVater乳頭を閉塞して発症する急性の病態が中心である。
✓ 4. 正しい
アルコール
症例の所見(断続する腹痛、膵臓内多数の石灰化、尿中アミラーゼ上昇、脂肪便)は慢性膵炎の典型的所見である。日本における慢性膵炎の成因として最も多いのはアルコール(約60〜70%)であり、長期の大量飲酒により膵管内に蛋白栓が形成され、やがて石灰化して膵石となる。膵実質の線維化が進行し、膵外分泌機能が低下して脂肪便が出現する。
ポイント
  • 慢性膵炎の最多原因はアルコール(約60〜70%)であり、膵石灰化・脂肪便・腹痛が三大症状である。
  • 急性膵炎と慢性膵炎の原因を混同しないこと。急性膵炎ではアルコールと胆石が二大原因、慢性膵炎ではアルコールが圧倒的に多い。
  • 重要用語: 慢性膵炎、アルコール性膵炎、膵石灰化、膵外分泌機能低下、脂肪便 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 急性膵炎 慢性膵炎
最多原因 アルコール・胆石 アルコール(60〜70%)
腹痛の性質 突発性の激痛 断続する上腹部痛
画像所見 膵腫大・周囲液体貯留 膵石灰化・膵管拡張
膵外分泌機能 急性期は亢進 低下(脂肪便)
血清アミラーゼ 著明上昇 軽度上昇〜正常
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題72|「60歳の男性。断続する腹痛と腹部圧痛があり、画像診断で膵臓内に多数の石灰化が認められ、尿中アミラーゼ値上昇と脂肪便がみられる。」本疾患の成因として最も多いのはどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題72|「60歳の男性。断続する腹痛と腹部圧痛があり、画像診断で膵臓内に多数の石灰化が認められ、尿中アミラーゼ値上昇と脂肪便がみられる。」本疾患の成因として最も多いのはどれか。
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