学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ C. 膵臓疾患 / Q0256

理由で解く 臨床医学各論

Q0256 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題60
問題
膵癌について正しいのはどれか。
選択肢
1 CA19-9は特異度が高い。
2 アミラーゼ値は病態を反映する。
3 放射線検査で確定診断ができる。
4 早期に発見されやすい。
解答
正解1(CA19-9は特異度が高い。)
解説
✓ 1. 正しい
CA19-9は特異度が高い。
CA19-9は膵癌の腫瘍マーカーとして比較的特異度が高く、膵癌での陽性率は約80%である。 膵癌の診断補助だけでなく、治療効果の判定や再発のモニタリングにも広く用いられる。 ただしCA19-9は胆道閉塞や胆管炎など良性疾患でも上昇することがあるため、単独での確定診断には用いられない。
✗ 2. 誤り
アミラーゼ値は病態を反映する。
アミラーゼ値は急性膵炎では膵組織の破壊により著明に上昇するが、膵癌の病態を直接的に反映する指標ではない。 膵癌では膵管の閉塞により二次的にアミラーゼが上昇することはあるが、病勢を反映する信頼性の高い指標とはならない。 膵癌の経過観察にはCA19-9やCEAなどの腫瘍マーカーが用いられる。
✗ 3. 誤り
放射線検査で確定診断ができる。
CT・MRI・超音波内視鏡・ERCP・MRCPなどの画像検査は膵癌の存在診断や進展度評価に有用であるが、確定診断には至らない。 膵癌の確定診断には組織学的検査(超音波内視鏡下穿刺吸引生検などによる病理組織診断)が必要である。 画像検査はあくまで存在診断・病期診断のための補助的手段である。
✗ 4. 誤り
早期に発見されやすい。
膵癌は早期発見が極めて困難な癌である。膵臓は後腹膜臓器であり初期症状に乏しいため、発見時にはすでに進行していることが多い。 膵頭部癌では比較的早期に閉塞性黄疸が出現するが、膵体部・尾部癌では無症状期が長く進行癌で発見されることが多い。 切除可能例でも5年生存率は約40%であり、予後不良な癌の代表である。
ポイント
  • 膵癌の腫瘍マーカーはCA19-9が最も有用(特異度が高い)であり、CEAも補助的に用いられる
  • 膵癌の確定診断には画像検査ではなく病理組織診断が必要である
  • 膵臓は後腹膜に位置するため初期症状に乏しく早期発見が困難であり、予後不良な癌の代表である
  • 膵頭部癌では閉塞性黄疸が比較的早期に出現するが、膵体部・尾部癌では無症状期が長い
  • 重要用語: 膵癌, CA19-9, 早期発見困難, 予後不良, 病理組織診断 を正確に理解しておくこと。
比較表
膵癌の発生部位 早期症状 診断時の特徴
膵頭部 閉塞性黄疸(比較的早期) 黄疸で発見されることが多い
膵体部・尾部 無症状期が長い 進行癌で発見されることが多い
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題60|膵癌について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題60|膵癌について正しいのはどれか。
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