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理由で解く 臨床医学各論

Q0255 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題67
問題
膵癌のリスクファクターとして正しいのはどれか。
選択肢
1 高血圧症
2 脂質異常症
3 高尿酸血症
4 糖尿病
解答
正解4(糖尿病)
解説
✗ 1. 誤り
高血圧症
高血圧症は脳卒中や虚血性心疾患などの心血管疾患のリスクファクターであるが、膵癌のリスクファクターとしては確立されていない。 高血圧症の合併症としては脳出血、脳梗塞、心肥大、腎硬化症などが重要である。 動脈硬化を促進する因子ではあるが、膵癌発生との関連は認められていない。
✗ 2. 誤り
脂質異常症
脂質異常症は動脈硬化性疾患(虚血性心疾患、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など)のリスクファクターであるが、膵癌のリスクファクターとしては確立されていない。 ただし高トリグリセリド血症は急性膵炎の原因となることがあり、膵疾患との間接的な関連は存在する。 脂質異常症の治療にはスタチン系薬剤が第一選択として用いられる。
✗ 3. 誤り
高尿酸血症
高尿酸血症は痛風や尿路結石のリスクファクターであるが、膵癌のリスクファクターとしては確立されていない。 高尿酸血症は腎障害や心血管疾患との関連が報告されているが、膵癌との直接的な関連は認められていない。 プリン体の代謝異常による疾患であり、消化器癌とは病態が異なる。
✓ 4. 正しい
糖尿病
糖尿病は膵癌の確立されたリスクファクターであり、糖尿病患者では膵癌の発症リスクが約2倍に上昇する。 膵癌によりランゲルハンス島が障害され二次的に糖尿病が新規発症・悪化することもあり、双方向の関係がある。 50歳以上の新規発症糖尿病では膵癌の可能性を念頭に置く必要がある。
ポイント
  • 膵癌のリスクファクター: 糖尿病、慢性膵炎、喫煙、大量飲酒、コーヒー、膵癌の家族歴、肥満
  • 高血圧症・脂質異常症・高尿酸血症はいずれも心血管疾患のリスクファクターであり、膵癌のリスクファクターには含まれない
  • 糖尿病と膵癌は双方向の関係があり、糖尿病がリスクを高める一方、膵癌が二次的に糖尿病を引き起こすこともある
  • 膵癌は膵管上皮から発生することが多く、予後不良(切除可能例でも5年生存率約40%)である
  • 重要用語: 膵癌, 糖尿病, リスクファクター, 慢性膵炎, 喫煙 を正確に理解しておくこと。
比較表
リスクファクター 膵癌 心血管疾患 痛風・腎疾患
糖尿病 あり あり
喫煙 あり あり
慢性膵炎 あり なし
高血圧症 なし あり 腎硬化症
脂質異常症 なし あり
高尿酸血症 なし あり あり
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題67|膵癌のリスクファクターとして正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題67|膵癌のリスクファクターとして正しいのはどれか。
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