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理由で解く 臨床医学各論

Q0254 肝・胆・膵疾患

出典:あマ指 第31回(2023) 問題62
問題
急性膵炎の原因で最も多いのはどれか。
選択肢
1 アルコール性
2 自己免疫性
3 胆石性
4 薬剤性
解答
正解1(アルコール性)
解説
✓ 1. 正しい
アルコール性
日本における急性膵炎の原因で最も多いのはアルコール性であり、全体の約40%を占める。 大量飲酒により膵管内圧の上昇と膵酵素の自己消化が生じ、急性膵炎を発症する。 特に男性ではアルコール性が最多であり、上腹部痛・背部痛・血中アミラーゼ上昇(尿中アミラーゼの方が診断的意義が高い)が特徴的所見である。
✗ 2. 誤り
自己免疫性
自己免疫性膵炎は比較的稀な疾患であり、急性膵炎の最多原因ではない。 IgG4関連疾患に分類され、膵臓のびまん性腫大を呈し、ステロイド治療に良好に反応するのが特徴である。 急性膵炎の原因としての頻度は低い。
✗ 3. 誤り
胆石性
胆石性膵炎は急性膵炎の原因として2番目に多く、全体の約20%を占める。 胆石がVater乳頭部に嵌頓して膵管を閉塞することで発症する。 全体ではアルコール性が最多だが、女性に限れば胆石性が最多原因となる点に注意が必要である。
✗ 4. 誤り
薬剤性
薬剤性膵炎は急性膵炎の原因としては稀であり、全体の1〜2%程度にすぎない。 原因薬剤としてアザチオプリン、バルプロ酸、サイアザイド系利尿薬などが知られている。 薬剤投与歴の聴取が診断の手がかりとなる。
ポイント
  • 急性膵炎の原因はアルコール性(約40%)が最多、次いで胆石性(約20%)であり、男性ではアルコール性、女性では胆石性が最多原因
  • 急性膵炎の重症例では低カルシウム血症(脂肪壊死によるCa消費)、DIC、多臓器不全が合併し、致命率は約30%
  • 血中・尿中アミラーゼが上昇し、尿中アミラーゼの方が診断的意義が高い
  • 疼痛は仰臥位で増強し座位前屈位で軽減する。治療は絶飲食+補液+プロテアーゼ阻害薬(FOY、フサン)
  • 重要用語: 急性膵炎, アルコール性, 胆石性, Vater乳頭, 膵酵素自己消化 を正確に理解しておくこと。
比較表
急性膵炎の原因 頻度 性差 発症機序
アルコール性 約40%(最多) 男性に多い 膵管内圧上昇、膵酵素自己消化
胆石性 約20%(2位) 女性に多い Vater乳頭嵌頓、膵管閉塞
特発性 約25% 原因不明
薬剤性 1〜2% 薬剤による膵毒性
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題62|急性膵炎の原因で最も多いのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題62|急性膵炎の原因で最も多いのはどれか。
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