学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ C. 膵臓疾患 / Q0248

理由で解く 臨床医学各論

Q0248 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題62
問題
慢性膵炎で正しい記述はどれか。
選択肢
1 胆石によるものが多い。
2 便秘が多い。
3 腹部超音波検査で石灰化像がみられる。
4 病初期より糖尿病が発症する。
解答
正解3(腹部超音波検査で石灰化像がみられる。)
解説
✗ 1. 誤り
胆石によるものが多い。
慢性膵炎は男性ではアルコールによるものが最も多い(約70%)。 胆石は急性膵炎の主な原因(約20%)であり、慢性膵炎の主因ではない。 女性では原因不明(特発性)が約60%を占める。
✗ 2. 誤り
便秘が多い。
慢性膵炎では膵外分泌機能の低下により脂肪の消化吸収が障害され、脂肪便(脂肪性下痢)がみられる。 便秘ではなく下痢・脂肪便が特徴であり、灰白色で油が浮く泥状便を呈する。 脂肪便は膵リパーゼ分泌の著明な減少により生じるものである。
✓ 3. 正しい
腹部超音波検査で石灰化像がみられる。
慢性膵炎では膵管内や膵実質に石灰化が生じ、腹部超音波検査やCT検査で石灰化像がみられる。 膵内不整エコー、石灰化像、膵管の不整拡張が慢性膵炎の超音波所見として特徴的である。 腹部単純X線検査でも膵臓に一致した石灰沈着が認められることがあり、膵石灰化は慢性膵炎の確定診断に重要な所見である。
✗ 4. 誤り
病初期より糖尿病が発症する。
糖尿病(二次性糖尿病)は膵臓の内分泌機能が高度に障害された進行期に合併するものであり、病初期からではない。 膵実質の破壊が十分進行してランゲルハンス島が障害されると、インスリン分泌低下により糖尿病を発症する。 この二次性糖尿病ではインスリン投与が必要となる点が特徴である。
ポイント
  • 慢性膵炎の最大の原因は男性ではアルコール(約70%)であり、胆石は急性膵炎の原因として重要である
  • 超音波やCTで膵石灰化像がみられることが慢性膵炎の画像診断上の特徴である
  • 進行期には膵外分泌障害による脂肪便と、膵内分泌障害による二次性糖尿病(インスリン投与が必要)が出現する
  • 膵外分泌機能検査としてパンクレオザイミン・セクレチン試験(PS試験)が行われる
  • 重要用語: 膵石灰化, アルコール性, 脂肪便, 二次性糖尿病 を正確に理解しておくこと。
比較表
慢性膵炎の病期 外分泌機能 内分泌機能 主な症状
初期〜中期 正常〜軽度低下 正常 上腹部痛・背部痛
進行期 著明に低下 低下 脂肪便、二次性糖尿病
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題62|慢性膵炎で正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題62|慢性膵炎で正しい記述はどれか。
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