学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0160

理由で解く 臨床医学各論

Q0160 消化管疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題69
問題
痔瘻を合併しやすいのはどれか。
選択肢
1 過敏性腸症候群
2 急性細菌性腸炎
3 潰瘍性大腸炎
4 クローン病
解答
正解4(クローン病)
解説
✗ 1. 誤り
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は器質的病変を伴わない機能性疾患であり、痔瘻を合併することは特徴的ではない。腸管に器質的異常がないことがみられ、組織の破壊を伴う瘻孔形成は生じない。
✗ 2. 誤り
急性細菌性腸炎
急性細菌性腸炎は一過性の感染症であり、急性の経過で治癒するため痔瘻を合併することはまれである。
✗ 3. 誤り
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は大腸粘膜・粘膜下層に限局するびまん性炎症であり、全層性の炎症を起こさないため瘻孔・痔瘻の形成は特徴的ではない。痔瘻はクローン病との鑑別に重要なポイントである。
✓ 4. 正しい
クローン病
クローン病は痔瘻を合併しやすい。腸管の狭窄や瘻孔(とくに痔瘻)をつくることがあるとされている。クローン病では消化管壁の全層に炎症が及ぶため、腸管壁を貫通する瘻孔が形成されやすく、肛門周囲の痔瘻は特に高頻度にみられる。痔瘻がクローン病の初発症状となることもある。
ポイント
  • 痔瘻(瘻孔)はクローン病に特徴的であり、潰瘍性大腸炎との鑑別に重要である。痔瘻がクローン病の初発症状となることもある。
  • クローン病の全層性炎症により瘻孔が形成される。痔瘻のほか腸管間瘻、腸管皮膚瘻、腸管膀胱瘻なども生じうる。
  • 潰瘍性大腸炎は粘膜・粘膜下層限局の炎症のため、瘻孔形成はまれである。
  • 重要用語: クローン病, 痔瘻, 全層性炎症, 瘻孔, 潰瘍性大腸炎との鑑別 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 瘻孔形成 炎症の深さ 病変分布
クローン病 高頻度(痔瘻が特徴的) 全層性 非連続性
潰瘍性大腸炎 まれ 粘膜・粘膜下層 連続性
過敏性腸症候群 なし 器質的異常なし --
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題69|痔瘻を合併しやすいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題69|痔瘻を合併しやすいのはどれか。
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