学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0159

理由で解く 臨床医学各論

Q0159 消化管疾患

出典:あマ指 第25回(2017) 問題64
問題
潰瘍性大腸炎の所見として適切でないのはどれか。
選択肢
1 血性下痢
2 痔瘻
3 腹痛
4 発熱
解答
正解2(痔 瘻)
解説
✗ 1.
血性下痢
✗ 正しい。血性下痢(粘血便)は潰瘍性大腸炎の最も特徴的な症状であり適切な所見である。大腸粘膜のびらん・潰瘍から出血するため、血液や粘液を含んだ下痢がみられる。活動期には頻回の粘血便が出現し、1日10回以上に及ぶこともある。
✓ 2. 誤り
痔瘻
痔瘻は潰瘍性大腸炎の所見としては適切でなく、クローン病に特徴的な合併症である。クローン病では全層性の炎症により瘻孔(腸管と他臓器を交通する異常な管腔)を形成しやすく、特に痔瘻が高頻度にみられる。潰瘍性大腸炎は粘膜・粘膜下層の炎症であり、全層性炎症ではないため瘻孔は形成しにくい。
✗ 3.
腹痛
✗ 正しい。腹痛は潰瘍性大腸炎の活動期にみられる代表的症状であり適切な所見である。特に左下腹部痛が多く、排便により軽快することが多い(テネスムス:裏急後重)。腹痛の程度は病変の範囲や炎症の程度により異なる。
✗ 4.
発熱
✗ 正しい。発熱は潰瘍性大腸炎の活動期にみられる全身症状であり適切な所見である。炎症の程度が強い場合や全大腸炎型では38℃以上の発熱を伴うことがある。発熱は疾患活動性の指標の一つとなる。
ポイント
  • 潰瘍性大腸炎の主症状は粘血便、腹痛、発熱、体重減少であり、痔瘻はクローン病の合併症として鑑別の重要ポイントとなる。
  • クローン病は消化管壁の全層性炎症を起こすため瘻孔(痔瘻)を形成しやすいが、潰瘍性大腸炎は粘膜・粘膜下層の炎症であり瘻孔形成はまれである。
  • 潰瘍性大腸炎の消化管外病変にはアフタ性口内炎、ブドウ膜炎、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、関節炎、原発性硬化性胆管炎がある。
  • 重要用語: 潰瘍性大腸炎、粘血便、痔瘻(クローン病)、全層性炎症 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見・合併症 潰瘍性大腸炎 クローン病
粘血便 ○(特徴的) △(少ない)
痔瘻 ×(稀) ○(高頻度)
腹痛
発熱
瘻孔形成 ×(稀) ○(特徴的)
炎症の深さ 粘膜・粘膜下層 全層性
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題64|潰瘍性大腸炎の所見として適切でないのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題64|潰瘍性大腸炎の所見として適切でないのはどれか。
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