学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0155

理由で解く 臨床医学各論

Q0155 消化管疾患

出典:あマ指 第21回(2013) 問題84
問題
イレウスで腸管壊死をきたしやすいのはどれか。
選択肢
1 閉塞性イレウス
2 絞扼性イレウス
3 麻痺性イレウス
4 単純性イレウス
解答
正解2(絞扼性イレウス)
解説
✗ 1. 誤り
閉塞性イレウス
閉塞性イレウスは腸管の内腔が閉塞するタイプのイレウスであり、血行障害を伴わない単純性イレウスに分類される。大腸癌や癒着による閉塞が原因となる。腸管の血流は保たれているため、壊死はきたしにくい。ただし、長時間放置すると二次的に血行障害が生じることはある。
✓ 2. 正しい
絞扼性イレウス
絞扼性イレウスは腸間膜が絞扼され、腸管の血行が遮断されるタイプの腸閉塞で、腸管壊死を起こしやすく最も緊急性が高い。腸管が捻転したり、ヘルニア嵌頓により腸間膜の動静脈血流が途絶えると、急速に腸管が壊死・穿孔に至る危険がある。突然の激しい腹痛で発症し、ショック症状を呈することが多い。緊急手術が必要である。
✗ 3. 誤り
麻痺性イレウス
麻痺性イレウス(機能的イレウス)は腸管の蠕動運動が低下・消失するタイプのイレウスであり、機械的な閉塞や血行障害は通常伴わない。重症感染症(敗血症)、腹膜炎、薬剤(抗コリン薬)、低カリウム血症などが原因となる。腸雑音は減弱・消失する。
✗ 4. 誤り
単純性イレウス
単純性イレウスは閉塞性イレウスと同義であり、腸管の血行障害を伴わないタイプのイレウスを指す。癒着や大腸癌による機械的閉塞が原因となるが、腸管の血流は保たれているため壊死はきたしにくい。腸雑音は亢進する。
ポイント
  • イレウスは機械的イレウス(単純性・絞扼性)と麻痺性(機能的)イレウスに大別される。
  • 絞扼性イレウスは腸間膜の血行が遮断されるため腸管壊死をきたしやすく、緊急手術が必要である。突然の激しい腹痛とショック症状が特徴である。
  • 腸雑音は機械的イレウスでは亢進し、麻痺性イレウスでは減弱・消失する。鑑別に重要な所見である。
  • 重要用語: 絞扼性イレウス、腸管壊死、血行障害、緊急手術 を正確に理解しておくこと。
比較表
イレウスの種類 血行障害 腸管壊死 腸雑音 主な原因 治療
単純性イレウス なし きたしにくい 亢進 癒着、大腸癌 イレウス管、輸液
絞扼性イレウス あり きたしやすい 亢進 腸捻転、ヘルニア嵌頓 緊急手術
麻痺性イレウス なし きたしにくい 減弱・消失 敗血症、腹膜炎 原因除去、輸液
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題84|イレウスで腸管壊死をきたしやすいのはどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題84|イレウスで腸管壊死をきたしやすいのはどれか。
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