学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ C. 麻酔科 / Q1363

理由で解く 臨床医学各論

Q1363 その他の領域

出典:あマ指 第21回(2013) 問題85
問題
脊椎麻酔について正しいのはどれか。
選択肢
1 局所麻酔薬を硬膜外に投与する。
2 穿刺部位に炎症があっても可能である。
3 虫垂切除術に用いられる。
4 抗凝固薬使用患者でも安全である。
解答
正解3(虫垂切除術に用いられる)
解説
✗ 1. 誤り
局所麻酔薬を硬膜外に投与する。
脊椎麻酔(脊髄クモ膜下麻酔)は局所麻酔薬を硬膜外ではなくクモ膜下腔に投与する。クモ膜下腔へ低用量の局所麻酔薬を注入して、脊髄神経の前根、後根、脊髄の外層を可逆的に遮断して鎮痛と筋弛緩を得る麻酔法である。硬膜外腔に投与するのは硬膜外麻酔である。
✗ 2. 誤り
穿刺部位に炎症があっても可能である。
穿刺部位に炎症がある場合は感染拡大のリスクがあり、脊椎麻酔の禁忌である。禁忌: 穿刺部位の炎症、出血性素因、抗血栓薬の投与、出血や脱水による循環血液量減少性ショックなどがある。穿刺により感染が中枢神経系に波及し、髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こす危険がある。
✓ 3. 正しい
虫垂切除術に用いられる。
脊椎麻酔は虫垂切除術に用いられる。適応: 薬物の投与部位が第2腰椎から第1仙椎間に限定されることから、下腹部、会陰、下肢の手術に適する。虫垂は右下腹部に位置するため、脊椎麻酔の適応範囲内である。虫垂切除術は下腹部の手術であり、脊椎麻酔で十分に施行可能である。
✗ 4. 誤り
抗凝固薬使用患者でも安全である。
抗凝固薬使用患者では脊椎麻酔は安全ではなく、禁忌である。禁忌: 穿刺部位の炎症、出血性素因、抗血栓薬の投与、出血や脱水による循環血液量減少性ショックなどがある。穿刺により硬膜外血腫や脊髄血腫を形成し、脊髄圧迫による重篤な神経障害をきたす危険がある。
ポイント
  • 脊椎麻酔(脊髄クモ膜下麻酔)はクモ膜下腔に局所麻酔薬を注入し、下腹部・会陰・下肢の手術に用いられる。虫垂切除術は下腹部手術であり適応内。
  • 禁忌: 穿刺部位の炎症、出血性素因、抗血栓薬の投与、循環血液量減少性ショック。いずれも穿刺に伴う合併症リスクが高まるため。
  • 副作用: 全脊髄クモ膜下麻酔(無呼吸・低血圧)、血圧低下(血管拡張)、呼吸抑制(胸神経麻痺)、術後頭痛(髄液漏出)。
  • 重要用語: 脊椎麻酔, クモ膜下腔, 下腹部手術, 虫垂切除術, 禁忌 を正確に理解しておくこと。
比較表
麻酔法 投与部位 適応手術
脊髄クモ膜下麻酔 クモ膜下腔 下腹部・会陰・下肢
硬膜外麻酔 硬膜外腔 頸部~会陰部
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題85|脊椎麻酔について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題85|脊椎麻酔について正しいのはどれか。
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