学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ D. 腸疾患 / Q0150

理由で解く 臨床医学各論

Q0150 消化管疾患

出典:あマ指 第17回(2009) 問題80
問題
潰瘍性大腸炎で正しいのはどれか。
選択肢
1 回盲部に好発する。
2 大量の水様性下痢をみる。
3 家族性に発症する。
4 大腸癌の危険因子である。
解答
正解4(大腸癌の危険因子である)
解説
✗ 1. 誤り
回盲部に好発する。
潰瘍性大腸炎は直腸から連続性に口側(大腸の上行方向)へ広がる疾患であり、回盲部に好発するわけではない。直腸炎型の頻度が最も高く、左側大腸炎型、全大腸炎型の順に多い。回盲部に好発するのはクローン病の特徴である。クローン病は回腸末端から大腸に好発し、非連続性病変(skip lesion)を形成する。
✗ 2. 誤り
大量の水様性下痢をみる。
潰瘍性大腸炎の下痢は粘血便・膿性便が特徴であり、大量の水様性下痢ではない。大腸粘膜のびらん・潰瘍から出血するため、血液や粘液を含んだ下痢となる。大量の水様性下痢はコレラなどの感染性腸炎や分泌性下痢の特徴である。
✗ 3. 誤り
家族性に発症する。
潰瘍性大腸炎の発症には遺伝的素因の関与が示唆されているが、明確な家族性発症パターンは確立されていない。多因子疾患と考えられており、環境要因と遺伝的要因の両方が関与すると推定されている。家族性大腸腺腫症(FAP)のような明確な遺伝形式はない。
✓ 4. 正しい
大腸癌の危険因子である。
潰瘍性大腸炎は長期罹患により大腸癌の重要な危険因子となる。全大腸炎型では発症後10年以上経過すると癌化率が高くなることが報告されている。長期にわたる慢性炎症により異型上皮が出現し、癌化に至る。定期的なサーベイランス内視鏡検査が推奨される。
ポイント
  • 潰瘍性大腸炎の特徴:直腸から連続性に口側へ進展、粘血便、大腸粘膜・粘膜下層の炎症
  • クローン病との鑑別:潰瘍性大腸炎(連続性、直腸から)、クローン病(非連続性、回盲部好発)
  • 長期罹患例(特に全大腸炎型で10年以上)で大腸癌のリスクが上昇する
  • 治療は5-アミノサリチル酸製剤や副腎皮質ホルモンが中心であり、中毒性巨大結腸症や癌化は手術適応となる
  • 重要用語: 潰瘍性大腸炎、連続性病変、粘血便、大腸癌リスク を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 潰瘍性大腸炎 クローン病
好発部位 直腸→連続性に口側 回腸末端、回盲部
病変の分布 連続性 非連続性(skip lesion)
下痢の性状 粘血便 下痢、血便は少ない
浸潤の深さ 粘膜・粘膜下層 全層性
癌化 長期罹患でリスク上昇
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題80|潰瘍性大腸炎で正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題80|潰瘍性大腸炎で正しいのはどれか。
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