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理由で解く 臨床医学各論

Q0118 消化管疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題57
問題
胃食道逆流症について正しいのはどれか。
選択肢
1 食道下部輪走筋は緊張する。
2 食道内圧は上昇する。
3 食道下部扁平上皮は円柱上皮化する。
4 体重増加によって症状は改善する。
解答
正解3(食道下部扁平上皮は円柱上皮化する。)
解説
✗ 1. 誤り
食道下部輪走筋は緊張する。
胃食道逆流症(GERD)では、食道下部の噴門部括約筋(下部食道括約筋:LES)の緊張は低下している。「高齢者では食道・胃接合部の噴門部括約筋が弛緩しているため、胃液が食道内に逆流しやすくなっている」とされており、緊張するのではなく弛緩が病態の本質である。
✗ 2. 誤り
食道内圧は上昇する。
GERDではLESの弛緩により食道・胃接合部の圧が低下しており、食道内圧は上昇しない。LES圧の低下が胃酸逆流を許容する主要な機序であり、食道内圧の上昇はGERDの病態とは逆である。
✓ 3. 正しい
食道下部扁平上皮は円柱上皮化する。
GERDによる長期の胃酸逆流刺激により、食道下部の扁平上皮が胃型の円柱上皮に置換される。これをバレット食道という。バレット食道は食道腺癌の前癌状態として重要であり、GERD患者では内視鏡による定期的な経過観察が推奨される。
✗ 4. 誤り
体重増加によって症状は改善する。
体重増加(肥満)は腹圧を上昇させ、胃酸の逆流を助長するため、GERDの増悪因子である。
ポイント
  • GERDの病態:LES圧低下 → 胃酸逆流 → 食道粘膜障害 → バレット食道(扁平上皮の円柱上皮化生)
  • GERDの増悪因子:肥満(腹圧上昇)、食後すぐの臥床、抗コリン薬(LES弛緩を助長)
  • GERDの治療:PPI・H2受容体拮抗薬、減量、食後臥床回避、上半身挙上
  • 重要用語: GERD, バレット食道, LES圧低下, 噴門部括約筋弛緩, 腹圧上昇 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 内容
病態 噴門部括約筋(LES)の弛緩 → 胃酸逆流
増悪因子 肥満、食後臥床、抗コリン薬
主症状 胸焼け、嚥下時痛
合併症 バレット食道(食道腺癌の前癌状態)
治療 PPI、H2RA、生活指導(減量・食後姿勢)
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題57|胃食道逆流症について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題57|胃食道逆流症について正しいのはどれか。
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