学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ B. 食道疾患 / Q0109

理由で解く 臨床医学各論

Q0109 消化管疾患

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題63
問題
食道癌でみられないのはどれか。
選択肢
1 嗄声
2 嚥下性肺炎
3 脾腫
4 吐血
解答
正解3(脾腫)
解説
✗ 1.
嗄声
✗ 正しい。食道癌が周囲組織に浸潤して反回神経を巻き込むと、声帯が動かなくなり嗄声(させい:しわがれ声)をきたす。特に左反回神経は大動脈弓の下を回るため障害されやすく、嗄声は食道癌の重要な浸潤症状である。嗄声の出現は切除不能の進行癌を示唆する。
✗ 2.
嚥下性肺炎
✗ 正しい。食道癌による食道狭窄が高度になると、食物が食道を通過できず気道に誤嚥される。その結果、嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)を併発する。また、食道・気管支瘻を形成すると嚥下のたびに気管に食物が流入し、重症の嚥下性肺炎を起こす。
✓ 3. 誤り
脾腫
脾腫は食道癌では通常みられない。脾腫は門脈圧亢進症(肝硬変など)による脾臓のうっ血性腫大や、血液疾患(白血病、悪性リンパ腫、溶血性貧血など)、感染症(マラリア、敗血症など)でみられる所見である。食道癌とは病態的に関連がない。
✗ 4.
吐血
✗ 正しい。食道癌の腫瘍表面は脆弱で易出血性であり、びらんや潰瘍から出血して吐血がみられることがある。また、食道癌が大動脈に浸潤すると大出血を起こし、致命的な大量吐血をきたすことがある。出血は食道癌の重要な合併症である。
ポイント
  • 食道癌の浸潤症状:嗄声(反回神経)、嚥下性肺炎(食道・気管支瘻)、徐脈(迷走神経)、ホルネル症候群(交感神経)
  • 脾腫をきたす疾患:門脈圧亢進症、血液疾患、感染症など
  • 食道癌と脾臓には解剖学的・病態生理学的関連がない
  • 重要用語: 食道癌、嗄声、嚥下性肺炎、脾腫、反回神経麻痺 を正確に理解しておくこと。
比較表
症状・所見 食道癌 機序
嗄声 反回神経浸潤
嚥下性肺炎 食道狭窄による誤嚥、食道・気管支瘻
吐血 腫瘍表面からの出血、大動脈浸潤
脾腫 × 病態的関連なし
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題63|食道癌でみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題63|食道癌でみられないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手