学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ B. 食道疾患 / Q0110

理由で解く 臨床医学各論

Q0110 消化管疾患

出典:あマ指 第18回(2010) 問題79
問題
食道疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 食道炎 ― 嚥下痛
2 食道癌 ― 体重減少
3 食道けいれん ― 嚥下困難
4 食道静脈瘤 ― 呼吸困難
解答
正解4(食道静脈瘤 ― 呼吸困難)
解説
✗ 1.
食道炎 ― 嚥下痛
✗ 正しい。食道炎では食道粘膜の炎症により、食物通過時に粘膜が刺激されて嚥下痛(嚥下時痛)が生じる。逆流性食道炎では胃酸により粘膜障害が起こり、高度なものでは潰瘍を形成して強い嚥下痛をきたす。胸焼けとともに食道炎の代表的症状である。
✗ 2.
食道癌 ― 体重減少
✗ 正しい。食道癌では腫瘍による食道狭窄のため嚥下障害が生じ、食事摂取量が低下する。さらに癌による消耗(悪液質)が加わり、進行に伴って著明な体重減少がみられる。体重減少は食道癌の重要な症状であり、この組合せは正しい。
✗ 3.
食道けいれん ― 嚥下困難
✗ 正しい。食道けいれん(びまん性食道痙攣)では食道の平滑筋が不規則に攣縮するため、食物の通過障害による嚥下困難(つかえ感)や胸痛が生じる。内視鏡検査やX線検査で食道の攣縮像がみられる。この組合せは正しい。
✓ 4. 誤り
食道静脈瘤 ― 呼吸困難
食道静脈瘤と呼吸困難の組合せは誤りである。食道静脈瘤は肝硬変などによる門脈圧亢進により、食道下端の静脈叢が拡張したものである。通常は無症状であるが、破裂すると大量の吐血・下血を起こし、ショック症状を呈する。出血が主症状であり、呼吸困難は主症状ではない。ただし、大量出血によるショックの結果として二次的に呼吸困難が生じることはある。
ポイント
  • 食道静脈瘤の主症状:破裂時の大量吐血・下血、ショック(呼吸困難は主症状でない)
  • 食道疾患の症状鑑別:炎症系(嚥下痛)、腫瘍系(嚥下困難・体重減少)、機能系(けいれん・嚥下困難)、血管系(出血)
  • 呼吸困難をきたす食道疾患:食道癌(腫瘍による気道圧迫)、食道アカラシア(食道拡張による気管圧迫)など
  • 重要用語: 食道静脈瘤、大量吐血、門脈圧亢進、嚥下痛 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 主な症状 機序
食道炎 嚥下痛、胸焼け 粘膜炎症
食道癌 嚥下困難、体重減少 食道狭窄、悪液質
食道けいれん 嚥下困難、胸痛 平滑筋の攣縮
食道静脈瘤 大量吐血(破裂時) 静脈瘤破裂
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題79|食道疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題79|食道疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。
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