学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0993

理由で解く 臨床医学各論

Q0993 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第18回(2010) 問題80
問題
血液疾患と原因との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 血友病 ― 凝固因子欠損
2 溶血性貧血 ― 血液型不適合
3 鉄欠乏性貧血 ― 骨髄機能障害
4 悪性貧血 ― ビタミンB12欠乏
解答
正解3(鉄欠乏性貧血 ― 骨髄機能障害)
解説
✗ 1.
血友病 ― 凝固因子欠損
✗ 正しい。血友病は第VIII因子欠損(血友病A)または第IX因子欠損(血友病B)が原因のX連鎖劣性遺伝疾患である。凝固因子の欠損により出血傾向を示し、APTTが延長するがPTは正常である。関節内出血や筋肉内出血が特徴的である。
✗ 2.
溶血性貧血 ― 血液型不適合
✗ 正しい。溶血性貧血は赤血球の破壊亢進により起こる貧血で、血液型不適合輸血は溶血性貧血の重要な原因の一つである。ABO不適合輸血では急性溶血反応が生じる。その他に自己免疫性溶血性貧血、遺伝性球状赤血球症、発作性夜間ヘモグロビン尿症なども原因となる。
✓ 3. 誤り
鉄欠乏性貧血 ― 骨髄機能障害
鉄欠乏性貧血の原因は慢性出血(消化管出血・過多月経)、鉄需要の亢進(妊娠・成長期)、鉄吸収不良(胃切除後)などであり、骨髄機能障害ではない。骨髄機能障害(骨髄の造血幹細胞障害)により汎血球減少をきたすのは再生不良性貧血である。両者の病態は明確に区別する必要がある。
✗ 4.
悪性貧血 ― ビタミンB12欠乏
✗ 正しい。悪性貧血は抗内因子抗体により内因子が欠乏し、ビタミンB12の回腸での吸収が障害されて起こる巨赤芽球性貧血の一つである。大球性貧血を呈し、ハンター舌炎や末梢神経障害(亜急性連合性脊髄変性症)を伴う。
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血は鉄の不足が原因であり、骨髄の造血機能自体は正常である。骨髄機能障害は再生不良性貧血の原因である。
  • 各血液疾患の原因を正確に区別することが国試対策の要であり、特に鉄欠乏性貧血と再生不良性貧血の病態の違いは頻出である。
  • 血友病はX連鎖劣性遺伝であり、APTTが延長しPTは正常という検査所見が特徴的である。
  • 重要用語: 鉄欠乏性貧血・再生不良性貧血・骨髄機能障害 を正確に理解しておくこと。
比較表
血液疾患 正しい原因 誤りやすい原因
鉄欠乏性貧血 慢性出血、鉄吸収障害、需要増大 骨髄機能障害(これは再生不良性貧血)
再生不良性貧血 骨髄の造血幹細胞障害 鉄欠乏(これは鉄欠乏性貧血)
悪性貧血 ビタミンB12欠乏(内因子欠乏) 鉄欠乏(これは鉄欠乏性貧血)
血友病 凝固因子欠損(VIII因子/IX因子) 血小板減少(これはITP)
溶血性貧血 血液型不適合、自己免疫、膜異常 造血障害(これは再生不良性貧血)
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題80|血液疾患と原因との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題80|血液疾患と原因との組合せで誤っているのはどれか。
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