学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0992

理由で解く 臨床医学各論

Q0992 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題73
問題
鉄欠乏性貧血について適切でない記述はどれか。
選択肢
1 息切れ・動悸の訴えがある。
2 妊娠時に起こりやすい。
3 ビタミン剤の投与が有効である。
4 血清フェリチン値は減少する。
解答
正解3(ビタミン剤の投与が有効である)
解説
✗ 1.
息切れ・動悸の訴えがある。
✗ 正しい。鉄欠乏性貧血ではヘモグロビンが減少し、組織への酸素供給が不足するため、代償的に心拍出量が増加し息切れ・動悸などの貧血症状を呈する。労作時に増悪し、重症では安静時にも出現する。これらは貧血に共通する一般的症状である。
✗ 2.
妊娠時に起こりやすい。
✗ 正しい。妊娠時は胎児の成長に伴い鉄需要が著しく増大し、母体の鉄欠乏性貧血を起こしやすい。特に妊娠後期には胎児への鉄移行が増加するため、鉄剤の予防的投与が推奨されることがある。妊婦の鉄欠乏性貧血は頻度が高い。
✓ 3. 誤り
ビタミン剤の投与が有効である。
鉄欠乏性貧血の治療には鉄剤(経口鉄剤または静注鉄剤)の投与が有効であり、ビタミン剤投与は無効である。ビタミン剤(ビタミンB12・葉酸)が有効なのは巨赤芽球性貧血である。鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血では治療法が明確に異なるため、貧血のタイプに応じた治療選択が重要である。
✗ 4.
血清フェリチン値は減少する。
✗ 正しい。血清フェリチンは体内貯蔵鉄の指標であり、鉄欠乏性貧血では著明に減少する。フェリチンはヘモグロビンが低下する前の早期から減少するため、鉄欠乏状態の早期診断に最も有用な検査である。
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血の治療は鉄剤の経口投与が第一選択であり、ビタミン剤は無効である。
  • ビタミンB12や葉酸が有効なのは巨赤芽球性貧血であり、貧血のタイプに応じた治療選択が重要である。
  • 鉄欠乏性貧血の検査所見は、血清鉄低下・フェリチン低下・TIBC上昇・小球性低色素性貧血である。
  • 重要用語: 経口鉄剤・フェリチン・巨赤芽球性貧血の治療 を正確に理解しておくこと。
比較表
貧血の種類 有効な治療 無効な治療 赤血球の特徴
鉄欠乏性貧血 経口鉄剤・静注鉄剤 ビタミンB12・葉酸 小球性低色素性
巨赤芽球性貧血 ビタミンB12・葉酸 鉄剤 大球性正色素性
再生不良性貧血 免疫抑制療法・骨髄移植 鉄剤・ビタミン剤 正球性正色素性
溶血性貧血 脾摘・免疫抑制療法 鉄剤・ビタミン剤 正球性正色素性
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題73|鉄欠乏性貧血について適切でない記述はどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題73|鉄欠乏性貧血について適切でない記述はどれか。
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