学習トップ理由で解く 臨床医学各論第3章 ▸ A. 肝臓疾患 / Q0199

理由で解く 臨床医学各論

Q0199 肝・胆・膵疾患

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題64
問題
B型肝炎について正しい記述はどれか。
選択肢
1 成人の初感染は慢性化しやすい。
2 HBe 抗原陽性では感染力が弱い。
3 垂直感染がみられる。
4 慢性肝炎からは肝硬変に進展しにくい。
解答
正解3(垂直感染がみられる)
解説
✗ 1. 誤り
成人の初感染は慢性化しやすい。
成人の初感染は約95%が一過性感染で治癒し、慢性化しにくい。免疫機能が正常な成人では、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しても急性肝炎として発症し、ほとんどが治癒する。ただし、近年増加している欧米型ゲノタイプA型HBVでは成人初感染でも慢性化することがある。
✗ 2. 誤り
HBe 抗原陽性では感染力が弱い。
HBe抗原陽性は血中ウイルス量が多く、ウイルス増殖が盛んであることを示し、感染力が強い(弱いではない)。HBe抗原陰性・HBe抗体陽性になると、ウイルス量が少なく感染力が弱いことを示す。ただし、HBe抗原非産生変異株では抗原陰性でも感染力が強いことがある。
✓ 3. 正しい
垂直感染がみられる。
B型肝炎では垂直感染(母児間感染、周産期感染)がみられる。HBs抗原陽性の母親から出生した児は、分娩時に産道で母体血に曝露されて感染する。垂直感染は日本におけるHBVキャリア化の主要な経路であった。現在は出生直後のHBs免疫グロブリンとHBワクチン投与により予防できる。
✗ 4. 誤り
慢性肝炎からは肝硬変に進展しにくい。
B型慢性肝炎は肝硬変に進展しやすく(しにくいではない)、さらに肝細胞癌へ進展するリスクが高い。無症候性キャリアの約10%が慢性肝炎を発症し、慢性肝炎から肝硬変、肝細胞癌へと進展する。HBVは発癌に直接関与する可能性も示唆されている。
ポイント
  • B型肝炎の垂直感染(母児間感染)はキャリア化の主要経路である
  • 成人初感染は通常慢性化しないが、欧米型ゲノタイプAでは慢性化することがある
  • HBe抗原陽性は高ウイルス量で感染力が強いことを示す
  • 重要用語: 垂直感染、周産期感染、HBe抗原、HBVキャリア、母子感染予防 を正確に理解しておくこと。
比較表
HBe抗原 HBe抗体 ウイルス量 感染力 意義
陽性 陰性 多い 強い 活動性の高い感染状態
陰性 陽性 少ない 弱い 低ウイルス状態
陰性 陰性 多い 強い 変異株の可能性
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題64|B型肝炎について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題64|B型肝炎について正しい記述はどれか。
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