学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ B. 食道疾患 / Q0107

理由で解く 臨床医学各論

Q0107 消化管疾患

出典:あマ指 第2回(1994) 問題90
問題
胸やけの原因とならない疾患はどれか。
選択肢
1 食道裂孔ヘルニア
2 食道炎
3 大腸ポリープ
4 神経症
解答
正解3(大腸ポリープ)
解説
✗ 1.
食道裂孔ヘルニア
✗ 正しい。食道裂孔ヘルニアは横隔膜の食道裂孔から胃の一部が胸腔内に脱出する疾患であり、下部食道括約筋の機能低下により胃酸の食道逆流が起こりやすい。その結果、胸やけ・呑酸などの逆流症状が出現する。高齢者に多く、肥満・腹圧上昇が誘因となる。
✗ 2.
食道炎
✗ 正しい。食道炎は食道粘膜の炎症であり、特に胃酸逆流による逆流性食道炎は胸やけの代表的な原因である。高齢者では噴門部括約筋が弛緩しているため胃液が食道内に逆流しやすく、胃酸により食道粘膜が障害される。夜間の胸焼けが特徴的で、狭心症との鑑別が必要になることがある。
✓ 3. 誤り
大腸ポリープ
大腸ポリープは大腸粘膜に発生する良性の隆起性病変であり、多くは無症状で、症状があっても下血や鉄欠乏性貧血を呈する程度である。胸やけの原因とはならない。胸やけは食道・胃の粘膜への刺激(主に胃酸による)で生じる症状であり、大腸の病変とは無関係である。
✗ 4.
神経症
✗ 正しい。神経症では自律神経の失調により胃酸分泌亢進や食道運動異常が起こり、胸やけ様の症状を訴えることがある。機能性ディスペプシア(non-ulcer dyspepsia; NUD)の範疇に含まれ、器質的疾患がないにもかかわらず上腹部症状が持続する。心因性要因が強く、精神的ストレスで増悪する。
ポイント
  • 胸やけの原因:逆流性食道炎が最多で、食道裂孔ヘルニア・GERD・機能性ディスペプシアなどが含まれる
  • 胸やけは食道・胃の病変で生じ、大腸疾患では生じない(部位の違い)
  • 夜間の胸焼けは逆流性食道炎に特徴的で、臥床時に症状が増強する
  • 重要用語: 胸やけ、逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、GERD を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 胸やけ 機序
食道裂孔ヘルニア 下部食道括約筋機能低下
逆流性食道炎 胃酸の食道逆流
神経症(NUD) 自律神経失調、胃酸分泌亢進
大腸ポリープ × 部位が異なる
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題90|胸やけの原因とならない疾患はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題90|胸やけの原因とならない疾患はどれか。
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