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理由で解く 理学療法士

QP60A001 理学療法評価学

出典:第60回理学療法士国家試験(2025)午前 問1
問題
Danielsらの徒手筋力テストを図に示す。対象となる筋はどれか。
図
選択肢
1 棘上筋
2 僧帽筋
3 菱形筋
4 肩甲下筋
5 上腕三頭筋
解答
正解4(肩甲下筋)
解説

MMTの図問題は「検者が何を固定し、どの関節運動を許しているか」を読み取るのが鍵。腹臥位・肩90°外転位で上腕を台に載せ、台の端から垂らした前腕を後上方へ振り上げる運動は肩関節内旋=肩甲下筋の段階3〜5評価であり、肩甲骨筋(僧帽筋・菱形筋)や外転筋(棘上筋)・肘伸展筋(上腕三頭筋)と区別する。

Danielsらの徒手筋力テスト(MMT)で、検者が肩甲骨の背面を押さえて肩甲骨自体の動きを抑え、肩90°外転・肘90°屈曲位で前腕を台の端から垂らした肢位から、評価対象は肩甲骨周囲筋(僧帽筋・菱形筋)ではなく肩関節の運動と判断できる。その肩関節運動を内旋方向でみているため、内旋の主動作筋である肩甲下筋が対象筋となる。これはDanielsの肩関節内旋テストの標準肢位(腹臥位)で行う段階3〜5のテストである。外転の棘上筋、肘伸展の上腕三頭筋は運動方向が異なり、肩甲骨運動を担う僧帽筋・菱形筋は固定により除外される。したがって公式正答は4(肩甲下筋)で妥当。

✗ 1. 誤り
棘上筋
肩関節外転の主動作筋。Danielsらの検査では段階3〜5を座位、段階2以下を背臥位で外転運動をみる。図が示す肩甲骨背面を固定した内旋運動とは方向が一致しない
✗ 2. 誤り
僧帽筋
肩甲骨の挙上・内転・上方回旋を担う肩甲骨周囲筋。図では肩甲骨の背面を押さえて肩甲骨自体の動きを抑制しており、評価対象は肩甲骨運動ではなく肩関節運動であるため該当しない
✗ 3. 誤り
菱形筋
肩甲骨の内転(引き寄せ)と下方回旋を担う。段階3〜5は腹臥位で肩甲骨を寄せる運動をみる検査であり、同じ腹臥位でも、図の肩関節内旋とは運動が異なる
✓ 4. 正しい
肩甲下筋
肩関節内旋の主動作筋。図は腹臥位・肩90°外転位で行う段階3〜5のテストで、肩甲骨を押さえ、垂らした前腕を後上方へ振り上げる=肩関節内旋を評価しており、この運動を起こす筋が肩甲下筋。公式正答
✗ 5. 誤り
上腕三頭筋
肘関節伸展の主動作筋。開始肢位は似るが評価する運動方向が肘の伸展であり、図が示す肩関節の内旋運動とは異なる
ポイント
  • 肩甲下筋=腱板唯一の内旋筋
  • DanielsのMMTは腹臥位・肩90°外転位で内旋に抵抗(lift-off/belly-pressは臨床の誘発テスト)
  • 外旋筋(棘下筋・小円筋)とは肢位は同じで運動方向が逆
比較表
回旋筋腱板の作用とMMT
筋主作用代表的テスト
棘上筋外転(初期)empty can/full canテスト
棘下筋外旋外旋抵抗テスト
小円筋外旋hornblowerサイン
肩甲下筋内旋lift-off・belly-press
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