学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP58P005

理由で解く 理学療法士

QP58P005 理学療法治療学

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午後 問5
問題
左大腿義足歩行の右立脚中期に図のような現象が観察された。原因はどれか。
図
選択肢
1 義足が長すぎる。
2 後方バンパーが弱すぎる。
3 ソケットの初期内転角が大きすぎる。
4 切断側の股関節外転筋力が不足している。
5 切断側の股関節伸展可動域が制限されている。
解答
正解1(義足が長すぎる。)
解説

健側(右)立脚中期に義足側の遊脚のためにつま先立ち等で持ち上げる伸び上がり(vaulting)は、義足が長すぎることが代表的原因。

右(健側)立脚中期は、左義足が遊脚して床を通過する時期である。この際に健側でつま先立ちになり身体を持ち上げる伸び上がり歩行(vaulting)がみられた場合、遊脚する義足が床に引っかからないよう空間を稼ごうとする代償であり、その最も代表的な原因は義足が長すぎることである。義足長が過剰だと遊脚相のクリアランスが不足し、健側で伸び上がる・分回しする・体幹を側屈するなどの代償が生じる。後方バンパーや初期内転角、外転筋力、股関節伸展制限は、いずれも義足側立脚期の異常(体幹側屈・膝折れ・過度の腰椎前彎など)の原因であり、健側立脚中期のクリアランス障害の主因ではない。

✓ 1. 正しい
義足が長すぎる。
遊脚相クリアランス不足→健側立脚中期に伸び上がり(vaulting)を招く
✗ 2. 誤り
後方バンパーが弱すぎる。
踵接地時に足部が急速に底屈し膝折れ傾向となる問題で、遊脚クリアランスとは別
✗ 3. 誤り
ソケットの初期内転角が大きすぎる。
義足側立脚期の中殿筋作用に関わり体幹側屈等に影響するが本現象の主因でない
✗ 4. 誤り
切断側の股関節外転筋力が不足している。
義足側立脚期の体幹側屈(デュシェンヌ様)を生じるもので、健側立脚中期の現象でない
✗ 5. 誤り
切断側の股関節伸展可動域が制限されている。
義足側立脚後期の腰椎前彎増強等の原因で本現象と異なる
ポイント
  • 健側立脚中期=義足の遊脚クリアランスが問題
  • 伸び上がり(vaulting)の代表原因は義足長すぎ
  • 他選択肢は義足側立脚期の異常原因
比較表
大腿義足の異常歩行と主因(相の対応)
現象生じる時期主な原因
伸び上がり(vaulting)健側立脚中期義足が長すぎる/クリアランス不足
体幹側屈義足側立脚期外転筋力不足・義足短すぎ・内転角
過度の腰椎前彎義足側立脚後期股関節伸展制限・ソケット不適合
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