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理由で解く 理学療法士

QP56P033 理学療法治療学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問33
問題
脳血管障害の片麻痺について正しいのはどれか。
選択肢
1 四肢の遠位部と比べて四肢の近位部の回復が遅れることが多い。
2 上肢の麻痺と比べて下肢の麻痺の回復が遅れることが多い。
3 上肢に痙縮があると肘関節が屈曲することが多い。
4 共同運動が出現した後に連合反応が出現する。
5 発症直後は筋緊張が高まることが多い。
解答
正解3(上肢に痙縮があると肘関節が屈曲することが多い。)
解説

片麻痺上肢の痙縮は屈筋優位で、肩内転・肘屈曲・手指屈曲の屈曲パターンをとる。回復は近位から遠位へ進み、下肢より上肢の回復が遅れる。

脳卒中片麻痺の運動麻痺の回復はBrunnstromの回復段階に沿って進み、一般に近位(体幹・肩・股)から遠位(手・足)へ回復する。上肢は巧緻性を要し回復が遅れやすく、下肢の方が回復良好なことが多い。痙縮は上肢では屈筋群優位に出現し、肩関節内転・内旋、肘屈曲、前腕回内、手関節・手指屈曲の典型的屈曲肢位(Wernicke-Mann肢位の上肢像)をとる。時間経過では、発症直後は弛緩性麻痺(筋緊張低下)で始まり、その後に連合反応→共同運動→分離運動の順に回復するため、連合反応は共同運動より先に出現する。以上より正しいのは3。

✗ 1. 誤り
四肢の遠位部と比べて四肢の近位部の回復が遅れることが多い。
回復は近位から先に進むため近位が先行し遠位が遅れる。記述が逆
✗ 2. 誤り
上肢の麻痺と比べて下肢の麻痺の回復が遅れることが多い。
実際は下肢の方が回復しやすく、上肢の回復が遅れることが多い。逆
✓ 3. 正しい
上肢に痙縮があると肘関節が屈曲することが多い。
上肢痙縮は屈筋優位で肘屈曲パターンをとる。正しい
✗ 4. 誤り
共同運動が出現した後に連合反応が出現する。
順序が逆で、連合反応が先に出現し共同運動へ移行する
✗ 5. 誤り
発症直後は筋緊張が高まることが多い。
発症直後は弛緩性で筋緊張は低下する。痙縮は後に出現
ポイント
  • 回復は近位→遠位、下肢>上肢で回復
  • 上肢痙縮=屈筋優位(肘屈曲)
  • 経過:弛緩→連合反応→共同運動→分離運動
比較表
片麻痺の痙縮パターン(Wernicke-Mann肢位)
部位優位となる筋・肢位
上肢屈筋優位:肩内転内旋・肘屈曲・前腕回内・手指屈曲
下肢伸筋優位:股伸展内転・膝伸展・足底屈内反
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