学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP56P003

理由で解く 理学療法士

QP56P003 理学療法評価学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問3
問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の基本軸と移動軸で正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 肩水平屈曲
2 胸腰部側屈
3 股外旋
4 手伸展(背屈)
5 母指橈側外転
解答
正解2(2)、3(3)
解説

図のROM問題は太線(基本軸)がどの構造に沿うかで正誤が決まる。肩水平屈曲・手伸展・母指橈側外転はいずれも基本軸の置き方が基準からずれている。

日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の関節可動域表示ならびに測定法に照らし、太線(基本軸)と細線(移動軸)が正しく描かれているものを2つ選ぶ問題である。胸腰部側屈は基本軸がヤコビー線(左右の腸骨稜最高点を結ぶ線)の中点に立てた垂直線、移動軸が第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線で、背面図の脊柱に沿う太い垂線と左右へ倒れる細線がこれに一致する。股外旋は基本軸が膝蓋骨より下ろした垂直線、移動軸が下腿中央線(膝蓋骨中心と足関節内外果中点を結ぶ線)で、図の太線・細線が基準どおりである。肩水平屈曲の基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線、すなわち体の左右方向に伸びる線だが、上方から見た図の太線は前後方向に引かれており軸の向きが違う。手伸展(背屈)の基本軸は橈骨、移動軸は第2中手骨だが、図の太線は前腕の尺側に沿って引かれている。母指橈側外転の基本軸は示指(橈骨の延長上)、移動軸は母指だが、図の太線は中指に置かれている。いずれの図も移動軸は妥当で、基本軸をどの構造に沿わせるかだけで正誤が分かれる作りになっている。よって正答は2と3。

✗ 1. 誤り
肩水平屈曲
基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線(左右方向)。図の太線は前後方向で軸の向きが誤り
✓ 2. 正しい
胸腰部側屈
基本軸=ヤコビー線中点の垂直線、移動軸=第1胸椎と第5腰椎の棘突起を結ぶ線で図と一致
✓ 3. 正しい
股外旋
基本軸=膝蓋骨より下ろした垂直線、移動軸=下腿中央線。図の太線・細線は基準どおり
✗ 4. 誤り
手伸展(背屈)
基本軸は橈骨、移動軸は第2中手骨。図の太線は前腕の尺側に引かれており誤り
✗ 5. 誤り
母指橈側外転
基本軸は示指(橈骨の延長上)。図の太線は中指に置かれており誤り
ポイント
  • 基本軸=原則として近位(固定)側の骨の長軸
  • 移動軸=遠位(運動)側の骨の長軸
  • 軸は関節中心に合わせ、代償を避ける肢位で測定
比較表
主な関節の基本軸・移動軸(日整会/日リハ医学会基準)
運動基本軸移動軸
肩屈曲・伸展肩峰を通る床への垂直線上腕骨
肘屈曲・伸展上腕骨橈骨
股屈曲・伸展体幹と平行な線大腿骨(大転子と大腿骨外顆中心を結ぶ線)
膝屈曲・伸展大腿骨腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)
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