学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP56P004

理由で解く 理学療法士

QP56P004 理学療法評価学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問4
問題
理学療法士が下肢を固定し、体幹の前屈を行わせた状態を図1に示す。次に図2のように固定位置を変更して体幹前屈を行わせたところ、体幹前傾角度に違いがみられた。この違いが生じた原因として、最も筋力低下が疑われる筋はどれか。
図
選択肢
1 腹直筋
2 腸腰筋
3 大腿四頭筋
4 ハムストリングス
5 前脛骨筋
解答
正解3(大腿四頭筋)
解説

下肢の固定位置を変えると、体幹前屈時に膝関節伸展を保持するために必要な筋活動(大腿四頭筋)の関与が変化する。固定位置により前傾角度が変わったことは、膝伸展保持を担う大腿四頭筋の筋力低下を反映する。

体幹前屈(前傾)動作では、下肢の固定位置によって各関節に要求されるモーメントが変化する。膝関節が伸展位に保たれる条件と屈曲を許す条件とで前傾角度に差が生じたことは、膝伸展位の保持を担う大腿四頭筋の働きが不十分であることを示唆する。すなわち、固定条件を変えて大腿四頭筋への依存度が高まる肢位にしたときに前傾角度が制限(または変化)したため、最も筋力低下が疑われる筋は大腿四頭筋と判断される。腹直筋や腸腰筋は体幹・股関節の屈曲に働くが本問の角度差の主因ではなく、ハムストリングスは伸張性(柔軟性)が前屈制限に関与しうるが『筋力低下』の観点では該当しない。(本問は図の肢位に依存するため、上記は角度差を生む力学的要因からの推論である)

✗ 1. 誤り
腹直筋
体幹屈曲の主動作筋だが、固定位置変更による前傾角度差の主因ではない
✗ 2. 誤り
腸腰筋
股関節屈筋で骨盤前傾に関与するが、本問の角度差を最もよく説明しない
✓ 3. 正しい
大腿四頭筋
膝伸展位の保持を担い、固定位置により関与度が変化して前傾角度差を生む=筋力低下が最も疑われる
✗ 4. 誤り
ハムストリングス
短縮(柔軟性低下)は前屈を制限しうるが『筋力低下』としては該当しない
✗ 5. 誤り
前脛骨筋
足関節背屈筋で体幹前屈の前傾角度差には直接関与しない
ポイント
  • 下肢固定位置の変更=各関節の要求モーメントが変わる
  • 膝伸展保持を担うのは大腿四頭筋
  • 前傾角度差の主因=大腿四頭筋の筋力低下
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