学習トップ / 理由で解く 理学療法士 / 第12章 ▸ 実地 / QP56P002
理由で解く 理学療法士

急性期脳梗塞の離床では、意識レベルの明らかな低下(GCSの低下)が離床練習を中止すべき最優先の増悪徴候である。
図は頭部拡散強調MRIで、患者の右側(放射線学的表示のため画像では左側)の側頭後頭領域に急性期梗塞を示す高信号を認める。これは左片麻痺(Brunnstrom法ステージ左上肢II・左下肢II、左上下肢筋緊張低下=弛緩性)を来す右半球の心原性塞栓性梗塞の所見と一致する。急性期脳梗塞の離床では、血行動態の安定に加えて神経学的増悪の有無を厳重に監視しなければならない。入院時のGCSはE4V5M6、合計15点で意識は清明であった。翌日にE2V2M5(合計9点)へ低下することは意識障害の進行、すなわち梗塞の進展・出血性変化・脳浮腫といった病態悪化を示唆し、離床練習を直ちに中止すべき最優先の所見である。他の選択肢は心拍数・血圧の軽度変動(いずれも一般的な中止基準に達しない)か、筋緊張の出現・Brunnstrom法ステージの改善という回復方向の変化であり、中止の根拠にはならない。
| 項目 | 中止を考慮する目安 |
|---|---|
| 意識 | GCS/JCSの明らかな低下、新たな神経症状 |
| 血圧 | 収縮期がおおむね200mmHg以上、または著明低下 |
| 心拍・心電図 | 著明な頻脈・徐脈、新規不整脈、胸部症状 |
| 自覚症状 | 強い頭痛・嘔吐・めまい・冷汗 |
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