学習トップ理由で解く 理学療法士第10章 ▸ 実地 / QP56P001

理由で解く 理学療法士

QP56P001 基礎理学療法学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問1
問題
正常な小児の背臥位からの立ち上がりプロセスを図に示す。このプロセスを辿る月齢はどれか。
図
選択肢
1 8か月
2 13か月
3 24か月
4 30か月
5 60か月
解答
正解5(60か月)
解説

回旋を伴わず正中位で対称的にしゃがみ込んで立ち上がる「対称的スクワットパターン」は成熟パターンであり、約5歳(60か月)で確立される。

図は、小児が背臥位から立位へ立ち上がる過程を6コマで連続的に示している。注目すべきは、全過程を通じて体を横へ回旋させず、腹臥位・四つ這い(高這い)を経由せずに、正中位で左右対称に頭部・体幹を屈曲して起き上がり、両膝を対称的に曲げたしゃがみ込み(対称的スクワット)を経て直立する点である。背臥位からの立ち上がりの発達様式は、幼い時期には体幹を回旋させ腹臥位→四つ這い→高這いを経て立ち上がる「回旋パターン」が主体で、成長とともに回旋が減り、正中位で対称的にしゃがみ込んで立ち上がる「対称パターン」へと移行する。図に描かれた完全に対称的なスクワットによる立ち上がりは、この成熟した(成人に近い)パターンであり、およそ4〜5歳ころに優勢となる。したがってこのプロセスを辿る月齢は60か月(5歳)が最も適切である。

✗ 1. 誤り
8か月
ひとり座りを保持し始める段階で、背臥位から立位への一連の立ち上がり動作そのものがまだ成立しない
✗ 2. 誤り
13か月
ようやく独歩を始める時期で、床からの立ち上がりは体幹を回旋させ四つ這い・つかまり立ちを経由する未熟なパターンが中心
✗ 3. 誤り
24か月
立ち上がりは可能になるが、いったん腹臥位・四つ這いへ回旋してから立つ「回旋パターン」が残存する時期で、図の対称パターンとは異なる
✗ 4. 誤り
30か月
回旋を伴う立ち上がりから対称的パターンへ移行し始める過渡期で、図のような完全に左右対称の立ち上がりには通常まだ至らない
✓ 5. 正しい
60か月
図が示す、回旋を伴わず正中位で体幹を対称的に屈曲→対称的スクワット(しゃがみ込み)→立位へと至る成熟パターンに一致する
ポイント
  • 立ち上がりパターンは年齢で変化する(VanSant)
  • 幼児期=回旋・四つ這い経由の非対称型
  • 4〜5歳(60か月)で対称的な成人型が完成
比較表
背臥位からの立ち上がりパターンの発達
時期の目安立ち上がりの特徴
独歩獲得〜幼児期一側へ回旋→腹臥位→四つ這い・高這いを経て起立(非対称)
移行期(3歳前後)回旋が減少し部分的に対称化
5歳(60か月)以降体幹を正中で対称的に前屈し左右対称に起立(成人型)
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