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理由で解く 理学療法士

QP55P012 理学療法評価学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問12
問題
62歳の女性。約半年前から歩行中にふらつき、しゃべりにくいことに気付いていたが、最近これらの症状が悪化してきた。その他、四肢協調運動障害、頭部CTで小脳および脳幹萎縮を指摘されている。この症例の評価指標として適切でないのはどれか。
選択肢
1 FBS
2 踵膝試験
3 鼻指鼻試験
4 FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
5 SARA〈scale for the assessment and rating test〉
解答
正解4(FMA〈Fugl-Meyer assessment〉)
解説

本症例は脊髄小脳変性症(小脳性運動失調)。FMAは脳卒中片麻痺の運動機能評価であり失調の評価には不適切。

経過(緩徐進行する歩行失調・構音障害・四肢協調運動障害)と画像(小脳・脳幹萎縮)から、脊髄小脳変性症など小脳性運動失調の病態が考えられる。評価には協調運動障害・平衡機能・失調の重症度を捉える指標が適する。FMA(Fugl-Meyer assessment)は脳卒中片麻痺に対し共同運動・分離運動・反射などを段階評価する尺度で、麻痺のない小脳失調の病態を適切に反映できないため不適切である。他は失調の要素を直接評価できる。

✗ 1. 正しい
FBS
FBS(Functional/Berg Balance Scale):立位・移乗など14項目でバランスを評価し、失調による平衡障害の把握に有用(適切)
✗ 2. 正しい
踵膝試験
一側の踵を対側の膝から下腿に滑らせ、下肢の協調運動・測定障害を評価(適切)
✗ 3. 正しい
鼻指鼻試験
指鼻試験の変法で上肢の測定異常・企図振戦など協調運動を評価(適切)
✓ 4. 誤り
FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
FMA(Fugl-Meyer assessment):脳卒中片麻痺の運動機能評価尺度で、小脳失調の評価には不適切(適切でない=正解)
✗ 5. 正しい
SARA〈scale for the assessment and rating test〉
歩行・立位・座位・言語・指追い・鼻指・回内回外・踵膝の8項目で失調重症度を定量化する専用尺度(適切)
ポイント
  • 小脳性運動失調→協調運動・平衡・失調重症度を評価
  • SARAは失調専用の重症度尺度
  • FMAは脳卒中片麻痺用で失調評価には不適
比較表
運動失調の主な評価指標
指標対象/目的
SARA小脳失調の重症度(8項目)
FBS(BBS)静的・動的バランス
踵膝試験・鼻指鼻試験四肢の協調運動・測定障害
FMA脳卒中片麻痺の運動機能(不適)
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