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理由で解く 理学療法士

QP55P013 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問13
問題
8歳の男児。脳性麻痺による痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢであり、床上はバニーホッピングで移動している。学校内の移動は車椅子駆動で自立している。車椅子の設定で正しいのはどれか。
選択肢
1 ヘッドサポートをつける。
2 座面高は標準より高くする。
3 背もたれの高さは肩までとする。
4 背もたれはリクライニング式にする。
5 フットサポートはスイングアウト式にする。
解答
正解5(フットサポートはスイングアウト式にする。)
解説

GMFCS IIIは手すり等で立位・移乗が可能。移乗時に足を引きやすいスイングアウト(着脱・開閉)式フットサポートが適切。

GMFCSレベルIIIは、手すりなどの支持があれば短距離歩行や立ち上がり・移乗が可能で、屋内外の長距離は車椅子を用いる水準である。頭部・体幹の制御は比較的保たれるため、頭頸部を固定するヘッドサポートや肩までの高い背もたれ、リクライニングといった重度(GMFCS IV〜V)向けの過剰な支持は自立的な駆動・座位バランスを妨げる。移乗時に立ち上がって足を接地させる動作を要するため、フットサポートがスイングアウト(左右に開く/着脱できる)式だと足元が空き、立ち上がりと移乗が容易になる。座面高は移乗しやすさと足駆動を考え標準〜やや低めが基本で、高くすると移乗・接地が困難になる。

✗ 1. 誤り
ヘッドサポートをつける。
頭部制御は保たれており、重度用の固定は不要で駆動の妨げになる
✗ 2. 誤り
座面高は標準より高くする。
移乗時の立ち上がりや足接地が困難になり、転倒リスクが増す
✗ 3. 誤り
背もたれの高さは肩までとする。
体幹制御を要する重度用。肩まで高いと上肢駆動や姿勢反応を妨げる
✗ 4. 誤り
背もたれはリクライニング式にする。
座位保持困難な重度例向けで、自立駆動児には不要
✓ 5. 正しい
フットサポートはスイングアウト式にする。
移乗時に足元を開放でき、立ち上がり・移乗が容易で適切
ポイント
  • GMFCS III=支持ありで立位・移乗可能
  • 自立駆動児には過剰な支持を付けない
  • 移乗を助けるスイングアウト式フットサポート
比較表
GMFCSレベルと移動能力の目安
レベル移動能力
I〜II歩行可能(II は手すり等で制限あり)
III支持で歩行、長距離は車椅子(自走可)
IV座位保持に支援、電動/介助車椅子
V頭部体幹の支持を要し自力移動困難
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