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理由で解く 理学療法士

QP55P011 理学療法評価学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午後 問11
問題
70歳の男性。自転車エルゴメーターを用い負荷強度30Wattsから50Wattsの5種類の一定負荷を行わせた時の心拍数変化を図に示す。この例に全身持久力トレーニングで運動強度を嫌気性代謝閾値〈AT〉に設定する場合、最も適切な負荷強度〈Watts〉はどれか。
図
選択肢
1 30
2 35
3 40
4 45
5 50
解答
正解3(40)
解説

一定負荷で心拍数が定常状態(プラトー)に達する最大の負荷がAT相当であり、本図では40Wattsがそれにあたる。

AT(嫌気性代謝閾値)以下の一定負荷運動では、心拍数は運動開始後数分で一定値に落ち着き定常状態(プラトー)に達する。一方、ATを超える負荷では代謝性アシドーシスなどにより心拍数が運動中ずっと上昇し続け(心拍ドリフト)、定常状態に達しない。本図では30・35・40Wattsの3本は心拍数が一定値で平坦化して定常状態に達しているのに対し、45・50Wattsは運動終了まで心拍数が漸増し続けて定常状態に達していない。したがって定常状態に達する最も高い負荷は40Wattsであり、これがAT相当の負荷、すなわち全身持久力トレーニングの運動強度として最も適切な負荷となる。

✗ 1. 誤り
30
心拍数が約75/分で速やかに定常状態に達し平坦。ATより十分低い強度
✗ 2. 誤り
35
心拍数が約78〜79/分で定常状態に達し平坦。ATより低い強度
✓ 3. 正しい
40
心拍数が約83/分で定常状態(プラトー)に達する最も高い負荷であり、AT相当の運動強度として最も適切
✗ 4. 誤り
45
心拍数が約88/分に達した後も運動終了(約92/分)まで漸増し定常状態に達しない=ATを超えた強度
✗ 5. 誤り
50
心拍数が約93→99/分へ運動中ずっと漸増(心拍ドリフト)し定常状態に達しない=ATを大きく超えた強度
ポイント
  • AT=有酸素から嫌気性代謝へ移行する強度
  • 一定負荷法では心拍数応答の折れ点がATの目安
  • 全身持久力トレーニングはAT強度で行う
比較表
AT(嫌気性代謝閾値)の判定指標
指標ATでの変化
心拍数傾きが急峻化する折れ点(HR break point)
換気量(VE)急増(換気性作業閾値)
血中乳酸上昇し始める(約2mmol/L)
主観的強度ややきつい(Borg 12〜13)
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